2020年12月後半から2021年1月にかけて日本卸電力取引所(通称:JEPX)の電力価格が高騰したことにより、エルピオでんきの市場連動プランは新規受付を停止しています。
また、株式会社エルピオはウクライナ侵攻などの世界情勢による燃料費高騰のあおりを受け、2022年4月末をもって小売電気事業から撤退しました。
当ページの内容はあくまでも過去情報として参考にしていただくようお願いいたします。
南部修一 |
※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
市場連動プランとは?
日本卸電力取引所(JEPX)の電力卸売価格(スポット価格)に連動して販売価格が変動する電気料金プランを『市場連動型プラン』と呼びます。
従来の電気料金メニューは、電力量単価や基本料金が契約時の価格で固定されていることに対して
市場連動型プランは電力の需給バランスや世界情勢の影響により、従量単価が日々変動します。
市場連動型プランを取り入れている新電力会社には、エルピオでんきの他にも、自然電力やダイレクトパワー、外資系の新電力などがあります。
詳しくはこちらでも解説しています ⇒ 電力業界用語辞典「市場連動型プラン」
電気代が「時価」のプランってことですね。
市場連動プランの電気料金は高い?
市場連動プランは「時価」ということで、電気代が高くなるイメージもありますが、
実際のところは従来プランとそれほど大きくは変わりません。
とくに昨年(2020年)はJEPXのスポット価格が低水準で、従来プランよりも電気代はむしろ安くなることも多かったようです。
(※)新型コロナウイルスによる電力需要の低迷や、燃料となる天然ガスの世界的なだぶつきの影響もあって、昨年2月~11月頃の電力市場の取引価格はかなり低い水準にありました
こういったトレンドが続くようであれば、市場連動プランの方が従来プラン(固定料金メニュー)よりもお得になる可能性は大きいでしょう。
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市場連動プランの従量単価は各地域の電力需給バランスなどによって変動しています。
ざっくり言うと、春や秋の価格は安く、夏や冬は高くなる日が多くなります。
また、どのエリアも深夜の時間帯は比較的安くなり、12時~22時の時間帯には値上がりする傾向にあります。(曜日によっても異なります)
短期的には得になることも損になることもありますが、一年を通して見ると無難な価格に落ち着くようです。
メリットは?
JEPXのスポット単価は30分ごとに異なり、各時間帯の単価は前日に公開されています。
前日のうちに市場価格を確認して、単価の高い時間帯にはなるべく電気を使わないようにすることで、電気代を安く抑えることができます。
また、春から夏にかけては太陽光発電による供給量が需要を大きく超えることから、例年のJEPXの取引価格は驚くほど安くなります。
2020年の5月~7月には1kWhあたり0.01円というタダ同然の単価になることが何度もありました。(通常は5円~10円/kWh程度)
デメリットは?
単価が高くなるときには制限なく高騰するところが、市場連動型プランの最大のデメリットです。
気温が急に暑くなったり寒くなったりすると、JEPXのスポット単価もそれに応じて高騰します。
また、停電や災害時などには通常価格の10倍以上に高騰することも珍しくありません。
(ただしそういった高騰はあくまでも一時的なもので、ずっと続くわけではありません)
市場連動プランの過去の料金単価データはこちらから
季節ごとにプランを変えるのはアリ?
「単価の安い春秋には市場連動プランを利用して、高くなりがちな夏冬は料金固定型プランに乗り換える」という方法もあるにはありますが・・・
電力会社の切り替え手続きには2週間から1ヶ月以上のタイムログがあります。
季節ごとのタイミングで乗り換えるのはなかなか面倒なので、そこまで気をつかうメリットはないでしょう。
それにエルピオでんきの市場連動プランの変更は、1年に1度しかできない決まりとなっています。
電気代を気にしてばかりいると生活の質が下がる
そもそも電気料金の動向を毎日24時間いちいち気にすることは、日々の生活の質を落とすことにもつながります。
どのような料金プランを選ぶにしても「トータルで今より安くなればラッキー」ぐらいに思っておいた方が健全でしょう。
エルピオでんき側からするとメリット大
じつは、市場連動型プランは電力会社の方に大きなメリットがあります。
なぜならエルピオでんきのような新電力会社からすれば、固定料金プランでも市場連動プランでも、電力の調達コスト(仕入価格)はどちらも同じだからです。
固定料金プランの場合、契約数を増やしたいがために販売価格をあまり安くすると、仕入価格が高騰したときには販売会社側の大損になります。
それに対して市場連動プランなら、仕入価格が高くても顧客に常に一定の手数料を上乗せして販売できますので、安定した利益を確保できます。
自社発電所を所有していない新電力会社にとって、市場連動プランはリスク回避の意味でもありがたいプランと言えるでしょう。
実際に外資系の新電力会社などは2016年の自由化当初から、こぞって市場連動型プランを導入しています。
市場連動プランと固定料金どっちがお得?
この記事を書いている時点(2020年9月現在)では、全国的に市場連動プランの方が安くなることが予想されます。
その理由は新型コロナによる市場低迷や、天然ガス価格の下降トレンドにより、JEPXのスポット取引価格は2020年2月以降ずっと安値が続いているからです。
今は安くても、いずれは・・・
ですが少なくとも2年以内には、市場連動プランの価格的メリットは薄れる可能性があります。
なぜなら自社発電所を持たない小売電気事業者(新電力会社)にとって、これから2年以内に大きな逆風(※)が吹き荒れることになるからです。
(※)JEPXに新しく開設された容量市場の取引価格の影響や、再エネ発電の導入促進に伴う託送料金の制度改定などが理由として挙げられます
格安販売で顧客を増やしてきた小売電気事業者も、いずれ料金体系や経営方針の変更を迫られることになるでしょう。
電力自由化により700社以上にまで増えた小売電気事業者も、今後は統廃合による縮小の方向に進むことになるはずです。
エルピオへの切り替えは今がチャンス
繰り返しになりますが、現時点では市場連動プランを利用した方がお得になる可能性大です。
新電力の拡大期はもうしばらく続くため、各社のキャンペーン特典が豪華なうちに、積極的に新電力に乗り換えることをお勧めします。
何もしない方が損になるといっても過言ではありません。
この機会を逃すと来年には安くなるチャンスはなくなるかもしれません。
エルピオでんきのキャンペーンに注目
エルピオでんきの市場連動プランの手数料は、自然電力やダイレクトパワーよりも安く(1kWhあたり3.5円)、
数ある新電力の中でもっとも良心的な価格設定になっています。
さらには10ヶ月の継続利用で最大1万円のキャッシュバック特典もあります。
エルピオでんきは契約期間中に自己都合で解約しても、解約違約金などは一切かからないので安心して利用できます。
とりあえず1年間だけでも市場連動プランを試してみてはいかがでしょうか。
新型コロナの影響はまだしばらく続くことが予想されますので、少なくともそれまではご近所よりもおトクな電気代を実現できるでしょう。
【2021/01/11追記】注意喚起!あわせてお読みくださいつい半年ほど前までは80位前後だったと記憶していますので、数多くある新電力の中でもトップレベルの伸び率です。
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