南部修一 |
※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
電力自由化以降、今ではさまざまな電力会社を選べるとはいえ、1人暮らしだと一体どこを選べば良いか?迷ってしまう人が多いようです。
とくに初めて1人暮らしをする方は毎月の電気代がどれくらいになるか見当もつかず、不安になることもあるでしょう。
このページではそういった不安を解消できるように1人暮らしの方でも絶対に損をしないおすすめ電力会社を紹介しています。
さらにより良い電力会社選びのための3つの注意点を、なるべく分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。
- 一般家庭向け電力販売量は4年連続全国No.1
- 基本プランは東京電力の従量電灯B/CやスタンダードS/Lよりもお得
- 新規利用客は3ヶ月分の基本料金がもれなく無料
- 毎月の電気代の1.5%相当のパッチョポイント還元あり
- レシピ動画サービス・クラシルの有料機能を無料で利用できる
- 申し込みや解約時に手数料などの発生は一切なし
- カード払いだけでなく口座振替にも対応
おすすめ前に知っておきたい電力自由化の基礎知識
まずはじめに
電力業界の基礎知識として知っておいてもらいたいことがあります。
それは電力自由化にともない、現在の電力会社は政治的に3種類に分割されているということです。
自由化前の電力会社は3つには分かれておらず、昔はすべてひっくるめた上で「電力会社」と呼ばれていました。
しかし今の電力会社は政府の電力システム改革により大きく3つに分かれています。
(ただし沖縄電力のように3つには分かれていないところもあります)
3つとも「電力会社」ではあるものの
私たち個人や一般家庭が①や②の電力会社と直接的な契約をすることはありません。
私たちが契約するのは③の「電気の販売・集金を担当する会社」のみとなります。
電気事業法における③の正式名称は『小売電気事業者』といいます。
ここから先でお話する「電力会社」は、どれもすべて③の『小売電気事業者』に該当することをまずはご理解ください。
前置きが長くなりましたが、
これから1人暮らしでも損をしないオススメの電力会社と、その選び方の注意点をご案内します。
まずは『より良い電力会社を選ぶための3つの注意点』から順番に解説しましょう。
新電力会社おすすめ総合ランキング |
オール電化プランおすすめランキング |
電力会社選びの注意点①
電気代がより安くなる、お得な電力会社を選ぶために知っておきたいこと
それは『電力会社の販売価格はお住まいの地域ごとにまったく異なる』ということです。
電力会社選びに失敗しないための豆知識①
例えば北海道の友人に「楽天でんきやLooopでんきが安くておすすめだよ」と勧められ、
あなたも「じゃあ私も楽天でんきにしようかな」と考えたとしましょう。
しかしあなたのお住まいが北海道ではなく大阪だった場合、
楽天でんきやLooopでんきは1人暮らしの方にはあまりオススメではありません。
なぜなら同じ電力会社でも「電力エリア」ごとに販売価格はまったく異なるからです。
たしかに北海道では楽天やLooopでんきのエリア単価は比較的安く、基本料金も無料になることから、北海道ではオススメと言えます。
しかし大阪(関西電力エリア)では、楽天やLooopの料金単価はそれほど安い水準ではありません。
それに関西電力エリアの単身世帯向け電気契約(6KVA未満)には、もともと基本料金の設定がないので「基本料金無料」ということにもメリットはありません。
実際に月間電力使用量180kWh以下(関西電力の従量電灯Aプランの電気代で約4,500円以下)の場合、
楽天でんきやLooopでんきの電気代は、他の新電力会社はもちろん関西電力と比べても高くなります。(口座振替割引を含めた試算)
楽天やLooopに限らず、電力会社の料金単価は全国10エリアごとに異なります。
同じ電力会社でも地域ごとに料金単価の設定が違うため、
そう簡単に「この電力会社がおすすめ!」と言い切ることはできません。
「1人暮らしおすすめ電力会社」をインターネット検索して出てくるような、電力会社ランキング情報はどれもまったくあてにならないので気をつけましょう。
電力会社選びの注意点②
次に注意すべきはお住まいの物件が電化住宅であったり、電気温水器付き住居のケースです。
オール電化や電気温水器のある住宅では、おすすめ電力会社はかなり限定されます。
あなたが東京に引っ越しして、1人暮らしを始める予定だとしましょう。
そこでインターネットで「1人暮らしのおすすめ電力会社」を調べてみると、出てくるオススメ情報には「東京ガス」や「ENEOSでんき」「楽天でんき」などが多く掲載されています。
しかし、それらの新電力には電化住宅向けの電気契約メニューはありません。(2020年9月時点)
(※)東京ガスに新しく登場した”もらえる電気”という料金プランは、東電エリアでのみ電化住宅に対応しています電化住宅は夜間に多くの電気を消費する仕様になっているため、夜間の単価が安くなる「時間帯別の電気契約メニュー」を選ぶ必要があります。
時間帯別の電気契約メニューのある新電力会社は、現時点ではかなり少ないため、電化住宅にお住まいの方や引っ越し予定の方は、その住所地の電力エリアを管轄していた「旧一般電気事業者(大手電力会社)」に相談しましょう。
そこでお住まいの住宅設備に見合った電気契約メニューを教えてくれます。
(※)東京電力エリアの場合は「東京電力エナジーパートナー」になりますその他のエリアの大手電力会社名は、以下の一覧表をタップしてご確認ください↓
電力会社選びに失敗しないための豆知識②
賃貸物件の場合、設置されている電気温水器の気密性が良くないことも多いようです。
そのような電気温水器は冬場に大量の電気を食うため、電気代も高額になりがちです。
そうとは知らずに新電力会社を利用していると、時間帯別の電気契約メニューと比べて月3,000円以上高くなることもありますので気をつけてください。
時間帯別メニューの場合は、朝昼晩や平日休日の生活スタイルによって電気代が変わってきます。
まずは大手電力会社を利用して、夏冬の電力使用量データや参考となる電気代を確認してから、新電力会社への乗り換えを検討した方が良いでしょう。
オール電化や電気温水器付き住宅でも乗り換えるとお得になる新電力会社の一覧は、以下のページで紹介しています。
電力会社選びの注意点③
3つめの注意点は『解約違約金や手数料がかかるところは避けましょう』です。
賃貸物件に入居すると、物件のオーナーや管理会社から電力会社を勧められることもあります。
それが初めて聞くような電力会社だったなら、紹介する方が得するだけで1人暮らしの方は損になる可能性があります。
弊社で調査したところ、そういった電力会社では2,000円~1万円ほどの解約違約金や契約手数料が発生することもあるようです。
そもそも1人暮らしの場合、どんなに安い新電力会社を利用したとしても、電気代は月あたりせいぜい200円~500円安くなる程度です。(大手電力会社との比較)
それなのに数千円以上もの違約金や手数料を請求されるようでは、わざわざ電力会社を変える意味がありません。
管理会社などから電力会社を紹介されたときは、必ず契約前に手数料や解約違約金の有無を確認してください。
もしそのような電力会社を紹介されたら、勇気をもって断固NOを言いましょう。
電力会社選びに失敗しないための豆知識③
その他、賃貸物件では『電気とインターネットの同時加入でお得!』といったセット契約を勧められることもあると思います。
そういったセット販売は他社への乗り換えを防ぐためだったり、価格競争に巻き込まれないようにするための企業戦略です。
インターネット料金はともかく、実際の電気料金はほとんど安くなりません。
とくに光通信事業系(インターネット回線関連)の販売企業が手掛ける新電力サービスは、何かと手数料を請求してくることが多いので十分に注意してください。
(※)一例としてJ:COM電力やエフエネ、ハルエネでんき、eo電気(オプテージ)などでは、1契約につき3,000円~1万円前後の契約手数料や解約時の手数料がかかります あわせて読みたい参考記事電気にしろ、都市ガスにしろ、インターネットにしろ、携帯電話にしろ、じつは別々に格安サービスを契約した方がセット契約よりもお得になります。
生活費をなるべく節約したい方は面倒でもそれぞれに格安サービスを選びましょう。
これまでの話をまとめると
これまでの話を簡単にまとめると、以下の通りです。
- 電力会社の販売価格は地域によって全く異なる
電気代が本当に安くなる電力会社や契約プランは、お住まいの地域ごとにまったく異なります。
有名企業だからといって、どこでも安くなるわけではありません。 - 電化住宅の場合、まずは旧大手電力会社に相談する引っ越し先が電化住宅の場合、最初から新電力会社を選ぶようなことは避け、半年から1年間ほどの実際の電気代や自身の生活スタイルを把握してから新電力会社への乗り換えを検討しましょう。
- 解約違約金や契約手数料のかかる電力会社は避ける1人暮らしの方には解約違約金の存在はデメリットでしかありません。
住宅の管理会社や営業マンの言われるがままに電気契約を結ぶことのないよう、十分に気をつけてください。
1人暮らしにおすすめの電力会社【エリア別】
それでは、いよいよお待たせしました!
今から1人暮らしの方に向いている電力会社と、本当にお得な電気料金プランをご紹介します。
東京電力エリアのおすすめ電力会社
東京23区、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県の富士川以東にお住まいの方は「東京電力エリア」に該当します。
東京電力エリアで都市ガスを使用する住宅にお住まいの方にはCDエナジーダイレクトのご利用をおすすめします。
(ベーシックでんきB+ベーシックガス または シングルでんき+ベーシックガス)
(※2)ガス機器・水まわり・パソコンなどのトラブルに対応
おすすめレベル | 都市ガスと電気の支払いを一つにまとめることができるので便利 | ||
---|---|---|---|
電気代の支払い方法 | 口座振替、クレジットカード | ||
備考 | ・電気代100円あたり中部電力カテエネポイント1ポイント付与 ・電気と都市ガスのセット利用で0.5%割引 ・「新規申し込みキャンペーン」や「家族ポイント割」にも注目! |
プロパンガス(LPガス)の物件にお住まいの方や、都市ガスとのセット契約でなくても電気代が安くなる格安新電力をお探しの方にはシン・エナジーの『生活フィットプラン』もおすすめです。
おすすめレベル | ・昼生活フィットプランは東京電力エリア以外の電力エリアでもおすすめです | ||
---|---|---|---|
電気代の支払い方法 | 口座振替、クレジットカード払い | ||
備考 | ・兵庫県神戸市に本社を置く再エネ電源開発の推進企業 ・2020年5月に電力小売業界でも初となる「昼間の電力量単価がもっとも安くなるプラン(【昼】生活フィットプラン)」をリリース |
【緊急情報】
都市ガスの最安おすすめはレモンガス
都市ガスの単体契約で最安値になる販売会社には『レモンガス』があります。
レモンガスの都市ガス料金は、東京ガス一般契約の基準単位料金(=使用量に応じた料金)と比較して約5%割安に設定されています。
(参考・TEPCOとくとくガスプランは同3%割安、ENEOS都市ガスは同4%割安)
ただしレモンガスの都市ガス供給エリアは、東京ガスの指定する東京地区等に限られます。あらかじめご了承ください。
東京ガス供給エリアの都市ガス料金比較表↓↓↓上記の新電力会社や都市ガス販売会社には、利用客にとって不利となるような契約手数料や解約違約金などは一切ありません。
初めて1人暮らしをする方も安心して利用できる、信頼性の高い企業を厳選して紹介しています。
関西電力エリア
大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、兵庫県(福浦を除く)、三重県(熊野市、紀宝町、御浜町)、岐阜県(関ケ原町の一部)、福井県(美浜町以西)にお住まいの方は「関西電力エリア」に該当します。
関西電力エリアで都市ガスを使用する住宅にお住まいの方には関西電力の『なっトクパック』がおすすめです。
関西電力の都市ガス(なっトクプラン)は大阪ガスの一般料金よりも断然安く、関西エリア最安水準になります。
セット契約時の電気料金(なっトクでんき)も、1人暮らしの方には価格的メリットは十分にあります。
関西電力エリアの個人向けの電気料金メニュー(6kVA未満の電気契約)には、契約容量(A数)による基本料金の設定がありません。
そのため1人暮らしの場合には(月の電気代が5,000円以下の場合には)、各社の電気代にそれほど大きな差は生じません。
Huluの利用料金が無料になる新電力サービス
web動画配信サービス『Hulu』の年間無料クーポンコードを毎年もらえる丸紅新電力のプランHにも注目です。
電気料金は関西電力とほとんど変わりませんが、すでにHULUを利用している人も、そうでない人も月額1,026円、年額で12,312円のお得になります。
丸紅新電力プランHについて詳しくは以下のページでも解説していますその他のエリア
東京電力と関西電力エリア以外の単身世帯向けおすすめ電力会社のご案内です。
中部電力エリア |
東北電力エリア |
九州電力エリア |
北海道電力エリア |
中国電力エリア |
四国電力エリア |
北陸電力エリア |
沖縄電力エリア |
その他の豆知識【Q&A】
おすすめ電力会社の他に1人暮らしの方に役立つ豆知識をまとめてみました。
予備知識として覚えておくと、知人や家族の助けになることもあると思います。
【より良い電力会社選びの3つの注意点】とあわせて参考にしてください。
単身世帯の電気代の平均額
いくらくらいになるのかな?
お住まいの地域や夏冬の気温差でも大きく変わるため、あくまでも参考額ですが
一般的な賃貸住宅では、1人暮らしだと月3,000円~7,000円前後になることが多いようです。
(※)総務省の統計データ(令和元年度)の単身世帯の電気代は月額平均5,700円となっています
電気温水器やオール電化設備のある賃貸住宅では、夏場で月6,000~9,000円、冬場は8,000円~1万円を超えることも多いようです。
電力会社を変更できないケース
集合住宅の中には『一括受電』といって、集合住宅全体で特定の電力会社と電気契約を結んでいることもあります。
そういった場合には、入居者が電力会社を自由に選ぶことはできません。
また、家主や管理会社の中には電力自由化に偏見を持っている人も居ますので、一括受電ではなくても、入居者に対して大手電力会社の利用を求めてくることがあります。
そのようなケースで家主に断りなく勝手に電力会社を変更すると、後で揉めることにもなりますので必ず事前に家主や管理会社と相談してください。
物件の契約時に特に指定がなければ、賃貸物件でも電力会社は自由に変更できます。
アンペア(A)って何?
東京(関東)、東北、中部、九州、北海道、北陸の6つの電力エリアにおける個人向けの電気契約は、電気の契約容量(アンペア数)によって月々の基本料金が異なります。
(※)関西・中国・四国・沖縄の4電力エリアの個人向け電気契約には、アンペア(A)による基本料金の設定はありません単身者向けの賃貸物件の多くは30アンペアで設定されています。
電力会社に連絡してそれを20アンペアや15アンペアに下げると、毎月の基本料金も数百円程度安くなります。
ただしアンペア数を下げると、同時に使用できる家電品の数は減ることになります。
15アンペアまで下げると、エアコンと電子レンジを同時使用しただけでブレーカーが落ちることもありますのでご注意ください。
勝手に下げても大丈夫かな?
アンペア数の変更は利用している電力会社(小売電気事業者)に連絡してください。
通常のアンペア下げに費用がかかることはありませんが、ブレーカー契約の場合には簡単なブレーカー工事が必要です。
また、アンペア上げの工事ではブレーカーや、住宅の配線状況によっては費用が発生することもあります。
いずれにしても、賃貸物件では退去の際に原状回復の義務がありますので、家主や管理会社に無断でアンペア数を変更するのはよろしくありません。
必ず事前の連絡および相談をしてから変更するようにしてください。
ちなみにアンペア変更は何度も繰り返すことはできません。(原則1年につき1回まで)
引っ越し先では新電力会社とは契約できないってホント?
引っ越し先での新規契約は、手続きが煩雑になることから受け付けてない新電力会社が多いようです。
一例として楽天でんきなどの有名どころでも受付不可となっています。
引っ越しと同時に契約できる新電力会社は、そう多くはありませんが、東京電力エリアでは東京ガスやLooopでんきなどがあります。
ただし引越し先が新築物件の場合には、上記の新電力会社でも新規契約は断られることになるはずです。
新築物件の電気契約は、旧大手電力会社に申し込んでください。
あわせて読みたい参考記事引っ越しの場合は、いつまでに申し込めば良い?
旧大手電力会社では入居日の3営業日前までに連絡すれば当日利用も可能です。
新電力会社の場合は5営業日~1週間前までとなっていることが多いようです。
あわせて読みたい参考記事電力会社が切り替わるまでどれくらいかかる?
新電力会社の利用申し込み手続きは、インターネットから10~15分程度で完了します。
ただし電力会社間の切り替えが実際に完了するまでは、検針日のタイミングなども影響するため、最短でも2週間、年末年始などでは2ヶ月近くかかるケースもあります。
平均的には1ヶ月ほどかかると見込んでおけばよいでしょう。
(※)引っ越し先での新規利用ではなく、既存の電力会社を乗り換える場合の話です
なお、電力会社の切り替えは従前の電力会社の解約手続きも含めて、すべて新電力会社側が行います。
私たちは切り替えの申し込みをするだけでOK、あとはその手続きが完了するまで待っているだけで問題ありません。
電気代のコンビニ支払いは避けましょう
新電力会社の中には、電気代の支払い方法に「コンビニ払い」を選べるところもあります。
ですがコンビニ払いでは1回あたり数百円の手数料がかかるため、せっかく安い新電力会社を選ぶ意味がなくなります。
生活周りの各種料金の支払い方法は、ポイント還元のあるクレジットカード決済がベストです。
カードを持たない方は口座振替を選びましょう。
CDエナジーダイレクト |
東京ガス |
ドコモでんき |
Looopでんき |
リミックスでんき |
まちエネ |
賃貸住宅や1人暮らしで気をつけることは? |
電力会社を変えるときは何をすれば良い? |