新電力と電力会社は何が違う?
「新電力の電気代はなぜ安いのか?」
「どうして安くできるのか?」
「どうして安くできるのか?」
それを説明する前に
まずは”新電力”と”従来の電力会社”の定義について確認しておきましょう。
「新電力の定義」って?
現在の電力会社の事業内容を大きく分類すると『発電事業』と『送配電事業』、そして『小売り(販売)事業』の3つに分けることができます。
その中で私たち一般家庭が実際に電気契約を結ぶことになるのは『小売り事業』を担う電力会社です。
(一般家庭では発電事業や送配電事業を担う電力会社と直接的に契約を結ぶケースはほぼありません)
この小売り事業を担う電力会社が、俗に”新電力”と呼ばれており、正式名称を「小売電気事業者」といいます。
じゃあ「従来の電力会社」ってのは?
それに対して、”従来の電力会社”は、発電事業と送配電事業、小売事業は別々になってはおらず、それらをすべてひっくるめた上で「電力会社」と呼ばれていました。
そのため電気供給契約を結ぶ際には小売り事業だけでなく、発電事業や送配電事業のコストを踏まえた上での契約になります。
この電気供給契約における料金設定は『総括原価方式』と呼ばれており、発電・送配電・小売にかかわる人件費や設備費用、修繕費用などのすべての費用がコストとして電気料金に反映されています。
従来からの電力会社は長年の地域独占の結果として、人件費をはじめとした様々なしがらみ、つまり多くの経費を抱えています。
そういったしがらみは膨らむばかりで電気代の値上がりが止まらないことから、市場競争の元で値下げさせるために政府は電力自由化に踏み切ったわけです。
余談ですが、従来の地域電力会社は2020年3月末までに小売部門および発電部門と、送配電部門はそれぞれに別会社として分割されることになっており、東京電力は2016年4月の時点ですでに分割を終えています。
※現在は沖縄電力をのぞく全国9社の地域電力すべてが分割を終えています(2020年4月追記)
- 東京電力エナジーパートナー(小売部門)
- 東京電力パワーグリット(送配電部門)
- 東京電力フュエル&パワー(発電部門)
新電力会社の電気料金が安い3つの理由とは?
なぜ新電力の電気料金は安いのか?
その理由は大きく分けて3つあります。
1つめの理由としては、旧来の大手電力会社は「規制料金」があることに対し、
新電力会社は「自由料金」だけ、といったことが挙げられます。
① 新電力会社は販売する電気料金を自由に設定できる
「規制料金」と「自由料金」って?
従来の電力会社(大手電力会社)の電気料金は、先に説明したように販売・発電・送配電すべてのコストを含めた総括原価方式によって決められています。
総括原価方式による大手電力会社の料金設定は、電気事業法にもとづいており、2016年4月の電力自由化後の今でも経過措置として規制されているため、気軽に変更することはできません。
電気料金を値上げするにしても値下げするにしても、経済産業大臣への届出や申請が必要です。
なるほど~
そんな決まりがあるのか。。
それに対し、新電力会社の方は自社で販売する電気料金を自由に設定・変更できます。
そのため電気の調達コストの折り合いさえつけば、すぐに他社よりも安い価格を提示することができます。
大手電力会社の料金プランは政治的に規制されているのに対し、新電力の料金プランは自由に設定できることから、新電力の方が安い料金プランを提供しやすい立場にある、というわけです。
なお、大手電力会社の規制料金は2020年3月末以降には撤廃される予定でしたが、新電力への切り替えがあまり進んでいない地域については、引き続き規制されるようです。
2つめの理由には「新電力会社は余分な待機電力を省ける」ということが挙げられます。
② 新電力会社は余分な待機電力を省ける
大手電力会社は政治的に規制されていることもあり、コスト管理の面で無駄が多くなります。
例えば、これまで大手電力は担当地域の住民や事業所すべての電力供給を確実にするために、あらかじめ想定するよりも、さらに余分となる電力を常に用意していました。
でも、電力というのは基本的には貯めておくことができないので、余分に用意している分はどうしても無駄になっていたんですね。
そうなんだ!?
大企業ってのは、やっぱりどこも高コスト体質なのかな?
まあ、それも仕方のないことだったんですけどね。
ですが、新電力会社の登場により、そういった無駄を少しずつ減らすことができるようになりました。
新電力会社は、自社と契約している顧客が必要とする分だけの電気を調達すれば良いので、大手電力よりも無駄を大きく減らすことができるんですよ。
新電力会社は必要とされる電力量の予測を立てやすいことから、電気をより安く提供することも可能になっています。
そういうことか~!
やっぱり企業でも家庭でも、節約のためにはまず無駄を減らすことが大事だもんね!
そして新電力の電気が安くなる最大の理由
3つめの理由がこれです↓↓↓
③ 新電力会社は設備投資を必要としない
新電力会社は一般家庭と電気契約を結ぶにあたり、必ずしも自社の発電設備を保有する必要はありません。
各家庭に電気を送るための設備(電柱や電線、電力メーターなど)は、各地域ごとに定められた送配電事業者が管理しています。
新電力会社が電気を調達する際には、他の発電事業者と提携したり、JEPX(卸電力取引所)から電気を購入することもできるため、発電設備のコストはゼロでもやっていけます。
電気の調達先を確保さえしていれば極端な話、小さな事務所一つあれば、それだけで新電力会社として成り立つわけです。
え!?
小さな事務所一つあればいいって・・・
小さな事務所一つあればいいって・・・
そんなに簡単なの??
新電力会社の運営に必要なのは事務所の維持費と人件費くらいのもので、それ以外のコストはほとんどかかりません。
人件費も従来の電力会社と比べれば、圧倒的に少なくて済みます。
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(Looop・楽天・ソフトバンクよりも安くできるのはなぜ?)
(実際のところは広告宣伝費や代理店の販促費などに多大なコストがかかっているようですが。。。)
ともあれ、新電力会社は電気の仕入れコストに対して、自社の利益分を上乗せして販売すれば良いだけということから、ギリギリの料金設定での販売も可能となっています。
それならみんな新電力に乗り換えれば良いんじゃないの??
新電力会社は運営コストが少なくて済むとはいえ、
実際には電力会社としての認知度や信頼性の低さから、広告宣伝費などの多大なコストがかかっています。
それに料金を自由に設定できることを逆手にとって、中には従来の電力会社よりも高額な料金プランになっていたり、高額な契約手数料や解約違約金がかかるような新電力会社もあるんですよ。
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新電力だからといって必ずしも電気料金が安くなるとは限りませんし、どの新電力会社も、経営はけっして順風満帆というわけでもありません。
新電力会社と従来の電力会社、どちらを利用するにしても契約内容をしっかりと確認した上で申し込むように気をつけてください。
この記事の監修担当
小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当 |
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