1kWhの電気代は何円?
2023年現在、1kWhあたりの電気料金は『31円(税込)』という”目安単価”が全国的に採用されています。
これは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が令和4年7月22日に改定した”新電力料金目安単価”に拠るものです。
ちなみに2022年7月21日以前の電気料金の目安単価は1kWhあたり27円、
そして2014年(平成26年)以前の目安単価は1kWhあたり22円でした。
そして2014年(平成26年)以前の目安単価は1kWhあたり22円でした。
やっぱり電気代って、ずっと値上がりしてるんだね。
2023年4月には全国10エリアで託送料金の改訂があり、さらに同年6月には北海道・東北・北陸・東京・中国・四国・沖縄の大手電力7社が規制料金メニューおよび自由料金メニューの価格改定を実施しています。
参考:大手電力10社の電気料金単価表
そのため2023年6月以降の1kWhあたり電気料金は、地域(≒電力エリア)による違いが従前よりも大きくなりました。
そこでこのページでは”各地域ごとの目安単価”と、その計算方法について詳しく解説してみようと思います。
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この記事の監修担当
南部修一 |
※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
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1kWhの電気代の計算方法
一般家庭などにおける電気代の内訳は、以下の図のように表せます。
『1kWhあたりの電気代』は、上記の”ひと月の電気代”を”月間電力使用量”で割ることで算出できます。
実際の電気代は地域やプランによって異なる
なお、電気の基本料金や従量料金単価は小売電気事業者それぞれに異なり、中には基本料金のないプランを提供している事業者もあります。
また、燃料費調整額の単価も全国10電力エリアごとにバラバラで、燃料費調整制度を採用している会社もあれば採用していない会社もあります。
そのため、たとえ月間の電力使用量(kWh数)が同じでも、実際の電気代および1kWhあたりの電気料金は、利用する電力会社やお住いの地域によって大きく異なります。
それを確かめるために、標準家庭における全国10電力エリアそれぞれの電気料金の”目安単価”を算出してみましょう。
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地域別(電力エリア別)1kWhあたり目安単価
各地域の大手電力10社(みなし小売電気事業者)の一般向け従量電灯プランにおける、電気料金1kWhあたりの現在の目安単価は次の通りです。
(注)燃料費調整単価は含めていません
各地域電力ごとに目安単価を算出すると、もっと安い関西電力は26.27円になることに対し、もっとも高い沖縄電力では46.24円になります。
つまり現在の1kWhあたり目安単価は、地域によって最大で約20円もの差があることがわかります。
※ちなみに2023年3月以前における地域差は最大9円でした
⇒ 過去の目安単価一覧表(グラフ画像)
⇒ 過去の目安単価一覧表(グラフ画像)
2023年6月以降の家庭の電気料金 1kWhあたり目安単価
- 北海道電力 45.03円
※2023年5月以前は35.34円 - 東北電力 39.41円
(同上)30.01円 - 北陸電力 37.63円
(同上)26.2円 - 中部電力ミライズ 28.72円
(同上)30.38円 - 関西電力 26.27円
(同上)28.07円 - 東京電力EP 39.03円
(同上)30.88円 - 中国電力 39.74円
(同上)29.19円 - 四国電力 38.09円
(同上)29.45円 - 九州電力 26.6円
(同上)27.67円 - 沖縄電力 46.24円
(同上)30.98円
(注1)契約種別は「30アンペア(または6kVA未満)」の従量電灯A/B、月間電力使用量は「370kWh」と仮定した、2023年6月以降の電気料金の1kWhあたり単価を算出しています。
(注2)各エリアのみなし小売電気事業者は標準モデル家庭における平均的な月間電力使用量を260kWhと定めていますが、当サイトでは一般財団法人省エネルギーセンターの資料および総務省統計局の「家計調査結果(令和2年)」を基に、1世帯当たりの月間電力使用量の平均値を370kWhと定めています。
(注3)再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は1.4円/kWhです。
(注4)燃料費調整額の単価は毎月変動するため、上記の目安単価には含めていません。
⇒ 各エリアの毎月の燃料費調整単価の推移表はこちら
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北海道電力(株)
北海道電力の平均電気代は1kWhあたり『45.03円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-280kWhまで | 280kWh超 | 燃調費 (9月検針分) |
|
374円 | 35.44円 | 41.73円 | 45.45円 | -11.25円 |
ほくでん従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(374×3)+(35.44×120)+(41.73×160)+(45.45×90)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 45.03
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
東北電力(株)
東北電力の平均電気代は1kWhあたり『39.41円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | 離島ユニバーサルを含む燃調費 (9月検針分) |
|
369.6円 | 29.71円 | 36.46円 | 40.41円 | -12.47円 |
東北電力・従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(369.6×3)+(29.71×120)+(36.46×180)+(40.41×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 39.41
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
北陸電力(株)
北陸電力の平均電気代は1kWhあたり『37.63円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | 燃調費 (9月検針分) |
|
302.5円 | 30.83円 | 34.72円 | 36.43円 | -11.42円 |
北陸電力・従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(302.5×3)+(30.83×120)+(34.72×180)+(36.43×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 37.63
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
中部電力ミライズ(株)
中部電力ミライズの平均電気代は1kWhあたり『28.72円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | 燃調費 (9月検針分) |
|
297円 | 21.33円 | 25.8円 | 28.75円 | -3.74円 |
中部電力ミライズ・従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(297×3)+(21.33×120)+(25.8×180)+(28.75×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 28.72
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
関西電力(株)
関西電力の平均電気代は1kWhあたり『26.27円』+燃料費調整単価
最低料金 月15kWhまで |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
燃調費 (9月検針分) |
||
---|---|---|---|---|
16-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | ||
433.41円 | 20.31円 | 25.71円 | 28.7円 | 15kWhまで-71.34円 以降は-4.76円/kWh |
関西電力・従量電灯Aの月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「433.41+(20.31×105)+(25.71×180)+(28.7×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 26.27
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
東京電力エナジーパートナー(株)
東京電力EPの平均電気代は1kWhあたり『39.03円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | 燃調費 (9月検針分) |
|
295.24円 | 30円 | 36.6円 | 40.69円 | -12.22円 |
東京電力EP・従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(295.24×3)+(30×120)+(36.6×180)+(40.69×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 39.03
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
中国電力(株)
中国電力の平均電気代は1kWhあたり『39.74円』+燃料費調整単価
最低料金 月15kWhまで |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
離島ユニバーサルを含む燃調費 (9月検針分) |
||
---|---|---|---|---|
16-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | ||
712.67円 | 32.83円 | 39.51円 | 41.63円 | 15kWhまで-190.81円 以降は-12.71円/kWh |
中国電力・従量電灯Aの月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「712.67+(32.83×105)+(39.51×180)+(41.63×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 39.74
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
四国電力(株)
四国電力の平均電気代は1kWhあたり『38.09円』+燃料費調整単価
最低料金 月11kWhまで |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
燃調費 (9月検針分) |
||
---|---|---|---|---|
12-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | ||
667円 | 30.66円 | 37.28円 | 40.79円 | 11kWhまで-121.04円 以降は-11円/kWh |
四国電力・従量電灯Aの月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「667+(30.66×109)+(37.28×180)+(40.79×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 38.09
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
九州電力(株)
九州電力の平均電気代は1kWhあたり『26.6円』+燃料費調整単価
10Aあたりの 基本料金/月 |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
|||
---|---|---|---|---|
0-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | 離島ユニバーサルを含む燃調費 (9月検針分) |
|
316.24円 | 18.28円 | 23.88円 | 26.88円 | -5.16円 |
九州電力・従量電灯B・30アンペア契約の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「(316.24×3)+(18.28×120)+(23.88×180)+(26.88×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 26.6
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
沖縄電力(株)
沖縄電力の平均電気代は1kWhあたり『46.24円』+燃料費調整単価
最低料金 月10kWhまで |
従量料金 (1kWhあたり単価) |
離島ユニバーサルを含む燃調費 (9月検針分) |
||
---|---|---|---|---|
11-120kWhまで | 121-300kWhまで | 300kWh超 | ||
640.75円 | 40.07円 | 45.61円 | 47.59円 | 10kWhまで-177.63円 以降は-17.76円/kWh |
沖縄電力・従量電灯の月間電力使用量370kWhにおける1kWhあたりの目安単価は、以下の計算式から算出されます。
「640.75+(40.07×110)+(45.61×180)+(47.59×70)+(1.4×370)」÷ 370 ≒ 46.24
(燃料費調整単価は毎月変動するため、ここでの計算には含めていません)
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kWh(キロワットアワー)って何?
そもそもの話だけど・・・
「kWh」って何なの??
kWh(キロワットアワー)は、ある時間に消費される電気エネルギーの”量”(=電力使用量)を示す単位です。
なるほど。
じゃあ「KW」と「KWh」ってのは何が違うの?
KWとkWhの違いとは?
電圧と電流を掛けることで生じる電気のエネルギーを”電力”といい、それを『W(ワット)』や『KW(キロワット)』などの単位で表します。
(※)1Wの電力は0.001kW(キロワット)に相当し、1,000Wの電力は1kWに相当します
そして、ある時間(=hour)に消費する電気エネルギーの”量”を『kWh(キロワットアワー)』という単位で表します。
「kWh」は電力の”消費量”(=電気の使用量)を表す単位
「kW」や「W」は電力の消費量ではなく”電力”そのものを表す単位
(注)ちなみに家電品などの場合、”消費電力”として「W」が表示されています(ややこしいですねw)
1kWの家電品の電気代はいくら?
1kWは1,000Wに相当するため「1,000Wの家電品の電気代はいくら?」と言い換えることができます。
消費電力が1,000W前後となる家電品には、以下のようなものがあります。
- 掃除機
- 電子レンジ
- 電気ケトル
- ドライヤー
- エアコン
- トースター
- IHクッキングヒーター
電気ケトルやドライヤーなどのように出力(=消費電力)が常に一定の家電品は、消費電力(W数)にそれを使用した時間と電力量単価を掛けることで電気代がわかります。
電気代 = W数 × 使用時間 × 電力量単価
家電品の電気代計算シミュレーター
ただし、エアコンや食器洗浄機、全自動洗濯機など、電気の出力(消費電力=WまたはKW数)が一定ではない家電品についてはシミュレーターでの単純計算はできません。
運転状況によって出力がコロコロ変わるため、WやKWではなく「kWh(電力使用量)」から電気料金を算出することになります。
そのように出力が一定でない家電品については”ワットチェッカー”を利用すると、実際に消費した電力量(kWh数)もカンタンに測定できます。
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平均的な電気代と電力使用量
一般家庭における電気代は春・夏・秋・冬の季節によって全く異なります。
とくに春秋と冬の電気代は2倍以上の差が生じることもあるため、平均を知るだけでは誤解の元になるかもしれません。
・一般家庭の電気使用量は冬季(12月~2月)がもっとも多い
(=電気代はもっとも高くなる)
・夏季(7月~9月)の電気使用量は冬季の次に多い
・春秋の電気使用量は夏冬と比べるとかなり少ない
(=電気代はもっとも安くなる)
また、ガス給湯器のある住宅と電気給湯器を設置している住宅とでは、実際の電気代は大きく異なります。
オール電化やセミ電化住宅の場合、年間を通じてもっとも電気を多く使用する電気機器はエアコンでも冷蔵庫でもなく「電気給湯器(電気温水器)」になるからです。
そのほか年間を通じて暖かい地域と、寒い地域によっても年間の平均電気使用量は異なりますので、それを踏まえた上で平均電気代を知っておくと良いでしょう。
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NPCプラン電気料金比較シミュレーター
正確さNo.1シミュレーション
当サイトでは全国の電力会社100社以上の従量電灯プランや低圧電力の電気料金を確認できます。
(ご利用は無料、メールアドレスなど個人情報の入力は一切不要です)
NPCプランのシミュレーターには2022年11月~2023年10月検針分の燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれます。
そのため今月と来月そして過去10ヶ月の実際の電気代を正確に一括比較できます。
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