より良い電気料金プランを選ぶための豆知識
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2020年の小売電気事業者の数は全国650社以上!
2016年4月の電気販売の完全自由化以降、それまで一般家庭との電気契約を独占してきた大手電力会社(旧一般電気事業者)以外にも、数多くの小売電気事業者(新電力会社)が登場しています。
2020年4月の時点で一般家庭向けの電気供給契約を行っている小売電気事業者の数は、全国に650社以上(販売予定の事業者も含む)にも上り、様々なタイプの電気契約を選べるようになりました。
より良い電気料金プランを選ぶために
新しい電力会社や料金プランの数はあまりにも多く、いざ選ぼうとしても、どの会社の何のプランが良いのか?迷ってしまいます。
何ごとも選択肢が広がるのは歓迎すべきことですが、ある程度の指針を決めておかないと、迷うだけ迷って結局損してしまうことにもなりかねません。
そこでこのページでは、あなたにあった電気料金プランを見つけるために確認すべき5つのチェック項目をご案内いたします。
各項目ごとに注意点を説明しますので参考にして下さい。
より良い電気料金プランを見つけるための5つのチェック項目
まずはどういった料金プランがあるか知っておく
電力自由化によって新しく登場した電気料金プランには様々なタイプがあります。
どのプランが良いかを判断する前に、まずはどのようなプランがあるのか?を確認しておきましょう。
また、現在あなたが契約しているプランについて再確認しておくことも大切です。
それぞれタイプ別に分けてご紹介します。
自由化前からある一般家庭向けの電気料金プランの種類
- 従量電灯プラン(A,B,C)使用した電力量によって三段階で変動する電力量単価と、契約アンペア数ごとに異なる基本料金で構成されるスタンダードな電気料金プランです。
- 深夜電力プラン電気温水器などの機器を利用している方向けで、深夜帯のある決まった時間のみ、安価な電気を使用できる料金プラン。従量電灯プランなどと組み合わせて利用されます。
- オール電化住宅向けプランエコキュートや蓄熱暖房機など、夜間蓄熱式の機器を利用している方が加入できるプランです。
夜間の電気料金単価が比較的安く、週末に安い単価が適用されることもあります。 - 時間帯別電灯プラン時間帯ごとに電気料金の単価が異なる料金プランで、一般的には夜間は割安に、昼間は割高になります。
需要の多いピークタイムの料金単価が安くなるピークシフトプランなども時間帯別電灯プランに含まれます。 - 季節別電灯プラン季節によって電気の料金単価が異なるプランです。
需要の多い夏季のピークタイムの料金単価が安くなるピークシフトプランなども季節別電灯プランに含まれます。 - 季節別時間帯別電灯プラン季節および時間帯ごとに電気料金の単価が異なるプランです。ピークシフトプランなど。
自由化後に登場した一般家庭向け電気料金プランの種類
- 基本料金なし、1段課金のみの従量電灯プランLooopでんき、あしたでんき、親指でんき、楽天でんき、AIでんき、ソフトバンクの自然でんき など
- 電気使用量が多いと割引になるプラン東京電力エナジーパートナー、eo電気、ナンワエナジー、スマ電 など
- オール電化対応プラン出光興産の電気、J:COM電力、エルピオでんき など
- 長期契約で割引される電気料金プランイデックスでんき(新出光)、ENEOSでんき(JXTGエネルギー)、和歌山電力、TOKAIでんき など
- 1日中割安になる曜日を自分で選べるプランナンワエナジー
- ガスと電気のセット加入で割引になる契約プラン東京ガス、東京電力エナジーパートナー、東邦ガス、eo電気、J:COM電力など
- 携帯電話と電気のセット加入で割引になる契約プランソフトバンクでんき、J:COM電力など
- インターネットと電気のセット加入で割引になる契約プランソフトバンクでんき、J:COM電力、eo電気など
- ケーブルテレビと電気のセット加入で割引になる契約プラン東急でんき、J:COM電力など
- 自社既存サービスとのセットプラン東急でんき、楽天でんき、出光興産の電気 など
- 各種ポイントなど生活サービスが付与されるプランENEOSでんき、auでんき、まちエネ、楽天でんき、イデックスでんき、ソフトバンクでんき など
- ソーシャルビジネス型(売り上げの一部が寄付になるなど)の契約プランHTBエナジー、丸紅新電力、まちエネ、東京電力エナジーパートナー、ソフトバンクでんき など
- 時間帯別季節別の節約割引型プラン北陸電力など
上記のように、新電力会社の電気料金プランには様々な種類があり、まだまだこれからも新しい料金プランや独自サービスの登場が予想されます。
とりあえずどういったタイプの料金プランがあるのか?を把握しておきましょう。
オール電化向け新電力会社一覧 |
地域別おすすめ電力会社一覧 |
より良い電気料金プランを見つけるための5つのチェック項目
契約解除の際の違約金や加入時の工事費用について知っておく
電力会社の切り替えで手数料を請求されるようなことはほとんどありませんが、中には契約事務手数料などを請求してくる小売電気事業者も存在します。(ハルエネ・J;COMなど)
また、何かしらの条件付きで割安になるプランを用意している会社や、契約後1~2年以内に解約して他の電力会社のプランに乗り換えると、違約金を支払わなければならなくなる会社もあります。
特にギフト券のプレゼントなど、契約前にインセンティブ特典が用意されている電力会社については、契約期間や解約時の違約金の有無などを必ずチェックしておきましょう。
解約違約金が発生する新電力はなるべく避けよう
違約金の有無やその金額は会社によって異なります。
解約金の額は1,000円~1万円程度とそれほど高額ではありませんが、契約後に電気料金の単価が変わる可能性もありますので、よほどの理由がない限り、無条件で好きな時に解約できる新電力会社を選ばれることをお勧めします。
経済産業省資源エネルギー庁のHP内でも、違約金が発生する契約プランは避けた方が無難とされています。
電力会社を変更すると、手続きや工事で費用が発生する??
電力会社を何回変更したとしても、送配電設備等はこれまでと何ら変わらず同じものを使用することになりますので、新しい電力会社に切り替えたからといって工事費用が発生するようなことは通常はありません。
いちおう、旧式の電気メーターを”スマートメーター”へと取り換える工事(所要時間10分程度)はありますが、これはお住まいの地域の一般送配電事業者が無償で行いますので、メーターの取替で費用が発生するようなことは原則ありません。
ただし、
((例)配線不良や計器取付板、外壁の不良)
((例)消費者が従来計器を破損させた場合の取替費用、外壁改修等でスマートメーターの取付位置を変更する場合の移設費用)
より良い電気料金プランを見つけるための5つのチェック項目
どういった発電方法による電気を販売しているか?電源構成を確認する
2011年の原発事故以来、日本でも自然エネルギー(再生可能エネルギー)による発電が推進されてはいます。
しかし、現実には火力発電による電力供給が全体の8割以上を占めており、世界的な環境後進国としての悪評は今も後を絶ちません。
それについて、政府は2030年までに火力発電の割合を5割近くまで減らし、再生可能エネルギーと原子力による発電の割合をそれぞれ2割強まで増加させるといった目標を設けています。
原子力の割合を2割強まで増やすことは国策であり、すでに既定路線になっていますが、再生可能エネルギーによる発電が増えるかどうかは、消費者の選択の意思も大きく関わってくるでしょう。
最近では太陽光や水力、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電した電気の契約プランを用意している小売電気事業者もありますので、そうしたプランを選ぶことによって、金銭的な価値以外のメリットや幸福感を得られることもあるかもしれません。
どういった経路で調達した電気なのかを確認する
新電力には、自社関連の発電事業者から調達した電気を主に販売している小売電気事業者もあれば、自社の発電設備を持たずに、各地の発電事業者や日本卸電力取引所から調達した電気を販売している小売電気事業者もあります。
経済産業省ではそれらの小売電気事業者に対し、強制ではありませんが、それぞれに電気の発生源の構成(電源構成)の開示を求めており、一般家庭に電気を販売している176社のうち、2017年4月時点で101社が電源構成を開示しています。
電源構成の内容によっても電気の販売価格は大きく左右されますので、新電力を選ぶ際には、発電コストの低い水力や天然ガスなどを主力にした電源構成を達成・維持できている会社を選んだ方が良いでしょう。
また、電源構成をきちんと公開している会社かどうか、どういった経路で調達した電気を販売している会社なのか?といったところも確認しておくことをお勧めします。
より良い電気料金プランを見つけるための5つのチェック項目
新電力への切り替えでどういった特典があるか?その内容と条件を確認する
自由化後に新しく登場した小売電気事業者の中には、切り替え契約をしてくれた新規客に対し、ギフト券などのプレゼントサービスや、自社の独自サービス、または他社との提携サービスなどを特典として用意しているところがあります。
また電力会社の比較サイトなども、独自のインセンティブ特典を用意していることがあります。(500円~1万円分のAmazonギフト券など)
比較サイトの場合は、運営側が各小売電気事業者から広告費を得ており、その広告費の一部を比較サイト経由で契約された需要家に還元することで、比較サイト運営者、小売電気事業者、需要家(電気の消費者)の3者それぞれがメリットを得られる仕組みとなっています。
比較サイトの特典と電力会社の特典は異なる!?
ただし、電力会社の比較サイト運営者側が提供するインセンティブ特典は、実質的な電気料金の支払いとは何の関係もありません。
インセンティブ特典は”比較サイト運営者がおすすめする電力会社”と契約した方へのプレゼントであって、比較サイトを通じてインセンティブ特典を得ると、新電力会社のオリジナル特典は得られない場合もあります。
新電力のオリジナル特典にしろ、比較サイトのインセンティブ特典にしろ、それを得るためには契約期間などの条件が別にあります。
契約内容やキャンペーンの条件をきちんと確認しておきましょう。
セットプランには注意??
電気とガス、インターネットと電気など、複数のサービスに同時加入することで、割引料金が適用されるセット割引プランには注意が必要です。
なぜならセットで割引きになるといっても、その対象期間が限定されていたり、解約の際に複数の違約金が発生するケースもあるからです。
『電気と〇〇の同時加入でお得!』といったセット販売は、顧客に離脱されないようにしたり、他社との価格競争に巻き込まれないようにするための、電力会社やガス会社などの戦略でもあります。
メリットだけでなくデメリットもあることを踏まえた上で、あまり複雑な契約はしないように注意しましょう。
代理店や取り次ぎ業者にも注意!
新電力の料金プランを提示している会社が、代理店や取次ぎ業者というケースもよくあります。
小売電気事業者の代理店や取次ぎ業者には、自身が代理店や取次ぎ店であることや、小売電気事業者が誰であるかという説明が義務づけられています。
その説明責任をきちんと果たしているかどうかを確認することも重要です。
また、電気事業法では小売電気事業者に対し、電気料金および供給条件等の書面による説明を義務づけています。
プランを提示する業者が、電気事業法に基づき登録されている小売電気事業者かどうかも、念のため確認しておくと良いでしょう。
登録されている小売電気事業者は資源エネルギー庁のホームページでも公開されています。
より良い電気料金プランを見つけるための5つのチェック項目
月々の電気代(または年間の電気代)がどれくらい安くなるかを確認する
電力会社を変更する一番の目的やメリットは、やはり月々の電気代でしょう。
自由化前からある従量電灯よりも安価な電気料金プランはたくさんありますので、各地域ごとに適切な新電力を選びさえすれば、毎月の電気代はほぼ確実に安くなります。
電気代の削減幅は世帯人数の多いご家庭ほど大きくなり、1人暮らしの方でも年間およそ3,000円~5,000円ほど安くなるようです。
4人世帯の場合は、年間で約12,000円~30,000円ほどの削減実績があります
ちなみにどの電力会社に変えても、送配電ネットワークの管理サービスは従来と同じく各地域の大手電力会社(一般送配電事業者)が担当します。
停電や災害時などの対応はこれまでと全く変わりません。
新電力を選ぶときは”電気料金のみの差額”に注目
各小売電気事業者(新電力)が提供する契約プランには、他のサービスとのセットプランやポイントサービス付きプランなど、様々なプランがあります。
これらを上手に見極めるコツは、今までの料金プランと比べて電気料金は純粋にどれくらい変わるのか?という点を確認することです。
特典やポイントサービスなどはさておき、まずは新電力の従量単価や基本料金、そして電気料金のシミュレーション結果などから”電気料金の純粋な差額”をチェックしましょう。
電気料金の純粋な差額ではなく、特典や割引き、ポイントサービスなどをも含めた金額や、お得感ばかりに注目していると、どのプランが良いのか?なかなか決めることができません。
さんざん迷った挙句、選んだ新電力の契約内容を見落としていたために、1年後には前よりも高い料金を支払っていた、などという事例もあるようです。
なにはともあれ、基本料金や従量単価が今よりも安いところを選びさえすれば、電気料金が逆に高くなってしまうようなことにはまずなりません。
電力会社の比較サイトを活用する
一般家庭向けに電気を販売している電力会社は300社以上もあり、電気契約メニューも各社それぞれに複数のプランがあるため、一つひとつチェックしていたら時間がいくらあっても足りません。
また、新電力会社は全国すべての地域で電気の販売供給契約を行っているわけではなく、販売供給エリアは各社それぞれに異なります。
なのでお目当ての新電力会社が、あなたのお住まいの地域で電気の販売供給契約を行っていなければ、いくら料金プランが魅力的だったとしても利用することはできません。
そこで役立つのが、お住まいの地域に対応する電力会社を一括で比較できるWEBサービスです。
電力会社の比較サービスにも色々なサイトがありますが、とりあえず有名な大手比較サイトを3つご紹介します。参考にしてください。
日本最大級の電気代見直しサイト
より正確な電気代の見積もり比較ができる!
知名度バツグンの総合比較サイト
各都道府県ごとのシミュレーションや電力事情コラムも、新電力への切り替え前の参考に役立ちます。
電力会社比較サイトご利用の際の注意点
上記の比較サイトでは電力会社を変更した際の電気料金の差額に、独自のインセンティブ特典を足した上で電気料金を比較している場合があります。
そのため各電力会社の電気料金の純粋な差額をチェックする際には注意が必要です。
また、比較できる電力会社の数も各サイトによって異なり、そこで提示された金額や比較結果が保証されているわけでもありません。
ご利用の際には比較サイトの情報をそのまま鵜呑みにはせず、新電力各社の公式HPの方で、もう一度料金プランの金額や内容、契約事項などを確認した上で申し込むようにしましょう。
電気料金の純粋な差額を比較しましょう
当サイトの電気料金一括比較フォームでは、各社の料金データを毎月ごとにチェック&修正し、純粋な電気料金の違いを比較できるように心がけています。
キャンペーン特典を含めない各電力会社の電気代はどれくらい安くなるのか?
ぜひNPCプランの電気料金一括比較シミュレーションをお試しください。
超正確! 電気ガス料金比較シミュレーター
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