新電力特集記事

【注意勧告】電化上手や深夜電力の値上げ話にダマされないで!

NGサインを出す女性イメージ
2022年4月に中部電力ミライズと四国電力そして北陸電力の3社で深夜電力の値上げや旧オール電化プランの価格改定がありました。
また同年7月には関西電力、そして10月には東京電力エナジーパートナーでも同様の価格改定がありました。
インターネット上には『東京電力「電化上手」より安い料金プランが続々登場!』とか『値上げされる東京電力の電化上手より安いプランに乗り換えよう』などと案内している広告サイトもありますが・・・

しかし、このようなサイトの情報をあまり真に受けてはいけません。

こうた
どういうこと?
イメージ画像
この記事の監修担当
SFP

新エネルギーメディア事業部 編集班
小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当
NPCプランイメージイラスト
当ページの内容について疑問のある方は、最下段のコメント欄またはメールフォームから気軽にご質問ください。
事業所や一般家庭を対象に、電気やガスの切り替えに関する有料相談にも応じています。
本気(マジ)でお得な切り替え先案内サービスはこちら(5,500円/1件)

夜間単価の値上げ後も最安単価に変わりなし

たしかに東京電力を含む全国5つの大手電力会社で旧オール電化プランの価格改定や、深夜電力の値上げがある(あった)のは事実です。
2022年に旧オール電化プランや深夜電力の価格改定がある電力会社
2022年10月1日より
東京電力エナジーパートナー公式ページ案内
【対象プラン】電化上手、おトクなナイト8/10、ピークシフトプラン、深夜電力A/B、第2深夜電力
2022年7月1日より
関西電力株式会社公式ページ案内
【対象プラン】はぴeタイム、時間帯別電灯、季時別電灯PS、深夜電力A/B、第2深夜電力
2022年4月1日より
中部電力ミライズ公式ページ案内
【対象プラン】Eライフプラン(3時間帯別電灯)、タイムプラン(時間帯別電灯)、ピークシフト電灯、低圧深夜電力A/B、第2深夜電力、わくわくホット(沸増型電気温水器契約)
2022年4月1日より
四国電力株式会社公式ページ案内
【対象プラン】季節別時間帯別電灯、時間帯別電灯、ピークシフト型時間帯別電灯、スマートeプラン[タイプL/H]、深夜電力B、第2深夜電力
2022年4月1日より
北陸電力株式会社公式ページ案内
【対象プラン】エルフナイト8/10/10プラス、深夜電力A/B/C/D

しかし値上げされた後も、深夜電力や旧オール電化プランの夜間単価が他のプランと比べて最安単価であることには変わりありません。

そもそも旧オール電化プランや深夜電力は新規受付をすでに終了しているため、一度でも他プランに変更すると2度と元のプランに戻すことはできません。
それを知らずに他社プランに変更すると後ほど後悔する羽目になります。

また、昼間時間の単価は値下げになるためトータルの電気代はそれほど変わらず各家庭の住宅設備や生活スタイルによっては以前より安くなる場合もあります。

こうた
そうなんだ?
”値上げ”って聞いたからてっきり高くなるって思ってたけど、前より安くなることもあるんだね。

「電化上手 値上げ」などのワードでweb検索をするとLooopでんきJ:COM電力を紹介している広告サイトが上位表示されますが、それらに切り替えると後になって損をする可能性もありますので気をつけましょう。

あわせて読みたい参考記事
こうた
でもさぁ「新電力会社に変えたら電気代が安くなった」って声も実際にあるみたいだけど?
清水
そういうケースもあるにはありますけど・・・
旧オール電化プランよりも実際の電気代が安くなるケースはかなり限定されるんですよ。

旧オール電化プランよりも安くなる条件

”電化上手”や”はぴeタイム”などの旧オール電化プランの電気代と比べて、新電力プランの方が安くなるケースとしては2パターンあります。

  1. 契約容量(KVA数)や契約電力(KW数)が大きいわりに月間電力使用量(KWh数)が少ない家庭
    具体的には電気の契約容量が10kVA(キロボルトアンペア)(または10KW(キロワット))を大きく超え、月間電力使用量は1年を通じて300~350kWh(キロワットアワー)以下に収まることの多い家庭などを指します
  2. 夜間の電気の使用量(KWh数)は比較的少なく、それに比べて昼間の電気使用量がかなり多い家庭
    例えば1年を通じて夜間時間の電力使用量は月間150kWh(キロワットアワー)以下に収まり、それに対して昼間時間の電力使用量が毎月300kWh(キロワットアワー)を大きく超える家庭などを指します
    (※)電気の使用量が夜:昼=1:2の割合を大きく上回る家庭

上記①②のいずれかに当てはまるようなら、必ずしもオール電化プランにこだわらなくても問題ありません。
その場合は基本料金0円タイプの新電力プランを利用した方が安く済むこともあるでしょう。
(※)基本料金0円タイプの新電力プランにはLooopでんきやソフトバンク自然でんきなどがあります

ただ、電気温水器やエコキュートなどを使用している一般家庭で上記に当てはまるようなケースはそう多くはないはずです。
もし当てはまっていても、実際の電気代はさほど変わらないこともよくあります。

こうた
条件を満たしていても安くならないことがあるの?
清水
そうなんですよ。
参考までにNPCプランの切り替え相談サービス事例を見てみましょう。

『電化上手』の料金比較サービス参考事例

当サイトの切り替え相談サービスを利用されたSさんは東京電力の電化上手を6kVAで契約しており、Sさん宅の春・夏・冬の電気使用量は以下の通りです。

1月の電気使用量
昼間320kwh 朝晩408kwh 夜間431kwh(計1159kWh)

4月の電気使用量
昼間135kwh 朝晩385kwh 夜間231kwh(計751kWh)

8月の電気使用量
昼間303kwh 朝晩377kwh 夜間145kwh(計825kWh)

そこで中国電力のシンプルコース(2022年4月時点で申し込みできる新電力の中で違約金なしの最安プラン)との電気料金比較表を各月ごとに作成しました。
まずはこちらをご覧ください。

各月のボタンをタップして下さい
1月のデータ 電化上手の電気料金 中国電力シンプルコースの電気料金
価格改定前 価格改定後
基本料金(6kVA) 1,320円 1,320円 0円
昼間時間の料金
(320kwh)
10,342円
(@32.32円)
9,817円
(@30.67円)
8,348円
(@26.09円)
朝晩時間の料金
(408kwh)
10,807円
(@26.49円) 
10,583円
(@25.94円)
10,644円
(@26.09円)
夜間時間の料金
(431kwh)
5,378円
(@12.48円)
6,516円
(@15.12円)
11,244円
(@26.09円)
合計金額 27,847円 28,236円 30,238円
4月のデータ 電化上手の電気料金 中国電力シンプルコースの電気料金
価格改定前 価格改定後
基本料金(6kVA) 1,320円 1,320円 0円
昼間時間の料金
(135kwh)
4,363円
(@32.32円)
4,140円
(@30.67円)
3,522円
(@26.09円)
朝晩時間の料金
(385kwh)
10,198円
(@26.49円) 
9,986円
(@25.94円)
10,044円
(@26.09円)
夜間時間の料金
(231kwh)
2,882円
(@12.48円)
3,492円
(@15.12円)
6,026円
(@26.09円)
合計金額 18,763円 18,938円 19,593円
8月のデータ 電化上手の電気料金 中国電力シンプルコースの電気料金
価格改定前 価格改定後
基本料金(6kVA) 1,320円 1,320円 0円
昼間時間の料金
(303kwh)
11,950円
(@39.44円)
10,350円
(@34.16円)
7,905円
(@26.09円)
朝晩時間の料金
(377kwh)
9,986円
(@26.49円) 
9,779円
(@25.94円)
9,835円
(@26.09円)
夜間時間の料金
(145kwh)
1,809円
(@12.48円)
2,192円
(@15.12円)
3,783円
(@26.09円)
合計金額 25,065円 23,641円 21,523円
(注1)各社の合計金額に再エネ賦課金や燃料費調整額、戸別の割引額(電化割引など)やポイント還元分などは含めていません
(注2)電化上手における電気温水器などの設置割引1kVAにつき253円(または154円)の適用は2022年10月以降は無くなります(ただし全電化住宅割引(5%割引)は価格改定後も適用あり)

結果の解説

上の表を見ると価格改定後の電化上手は、冬(1月)と春(4月)の電気代は数百円ほど値上がりしますが、(8月)は1,300円以上安くなることがわかります。

ですが、(8月)の電気代は価格改定の前後にかかわらず、中国電力シンプルコースの方が2,000~3,000円以上安くなっています。
これは夜間よりも昼間の電気使用量が多いことが原因です。(夜:昼の比率 = 1:2.1)

電化上手の昼間単価は夏季(7月~9月)になると割高になるため、昼間の電力使用量が多い家庭の電気代はどうしても高くなりがちです。

ただし冬(1月)の電気代は電化上手の方が1,000~2,000円以上安くなり、春(4月)も中国電力より600~700円ほど安くなるため1年間のトータルで見れば総支払い額はどちらもさほど変わりありません。

結論まとめ

  1. 電化上手の10月の価格改定後、春・秋・冬の電気代は以前より高くなることもある。
    ただし、夏季(7月~9月)は反対に安くなる可能性もある。
  2. 夏季(7月~9月)は電化上手よりも他社プランの方が安くなることもある。
    ただし、その他の季節は割引なしでも電化上手の方が安くなることは多い。

超正確!電気料金比較シミュレーター

ネット上には玉石混交さまざまな情報がありますので、あまり惑わされないように気をつけてください。

もちろんここで紹介した情報に納得いかない人も居られるでしょう。
そういった方はNPCプランの電気料金シミュレーションを試してみれば納得できることもあるかもしれません。

以下に案内するシミュレーターに契約容量(kVA数)と月間電力使用量(KWh数)を入力して、そこで表示される最安プランの電気代とご自宅の電気代を比べてみてください。

超正確!電気代比較サービス
NPCプランでは全国100社の電気&都市ガス料金プランをスピーディーに比較できます。
計算プログラムには再エネ賦課金や各種調整額も含まれ、毎月ごとに最新単価に更新していますので、他のどの比較サイトよりも正確かつ具体的な電気料金を確認できます。
清水
いずれにしても新電力会社に変更する際にはご自宅の過去12か月間の電気使用量や電気代を確認して、あらかじめ比較シミュレーションすることが大切ですね。

プラン見直しよりも”省エネ節電”に取り組みましょう

深夜電力や旧オール電化プランを利用しているほとんどの家庭では、電力会社や料金プランの見直しは必要ありません。
それよりも電気の使い方を工夫することが重要です。
具体的には以下の3点について検討しましょう。

①無理のない範囲での節電行動

オール電化住宅向けプランを利用している家庭では、昼間時間の電気使用量をなるべく減らす工夫をすることで家計の節約につながります。
家電品の充電などは夜間時間に行うように習慣づけるとなお良いでしょう。
関連コンテンツ
料金イメージ(PRICE)ガス代や電気代が高すぎる!これって何とかならないの?

②省エネ機器の購入・買い替え

LED照明や高効率エアコン
照明器具をLEDに交換したり、高効率エアコンなどの省エネ機器に買い替えることで各家庭のエネルギー消費量を減らせます。
大手電力会社では省エネ機器の買い替えキャンペーンを開催していることもあります。
関連コンテンツ
キャンペーン大手電力会社10社の最新キャンペーン情報
エコキュートや太陽熱温水器
電気温水器を利用している家庭ならエコキュートに買い替えたり、思い切って「太陽熱温水器&ガス給湯」に変えてみるのも良いでしょう。
”太陽熱温水器”はあまり一般的ではありませんが、設置コストはエコキュートの1/2以下で済み、お湯を作るための電気代やガス代といったランニングコストは一切かかりません。
(※)ただし北海道や北陸地方、東北・山陰地方の日本海側などの降雪地帯では温水を作れない月が多くなるため、あまりお勧めはできないのが正直なところです
清水
太陽熱温水器はコストや機能だけでなく環境問題の面でも非常に優れています。
ただ、電力会社やガス会社の利益にはつながらないこともあって、日本ではあまり普及してないんですよね。
家庭用蓄電池
ハイクラスな暮らしを追求する方は家庭用蓄電池を導入し、単価の安い夜間時間に充電した電気を活用するのもスマートです。
毎日の節約はもちろん、災害時などいざという時にも活躍します。

住宅設備の見直しや断熱リフォーム

電化住宅と相性の良い設備には太陽光発電システムがあります。
2022年4月には東京都で太陽光発電パネルの設置義務化の動きもありましたので、各家庭における自家発電設備導入の流れは今後も加速するでしょう。
太陽光発電システムの設置が物理的に難しい家庭や、より先進的な暮らしを追求する方には蓄電池(ちくでんち)の導入もお勧めです。
自治体によっては補助金制度もあります。
こうた
でもさあ、太陽光発電とか蓄電池ってけっこう高い買い物じゃん。
FIT(フィット)売電価格も年々下がっているっていうし、、
今さら設置するメリットはないんじゃないの??
清水
まあ、そういった声があるのも事実ですけどね。
でも、実際にはシステム導入コストは年々下がってますし、その反対に機能や効率はどんどん向上しています。
清水
訪問販売とかの言いなりではなく、信頼性の高い業者をきちんと選びさえすれば損することはないですよ。
むしろ有望な投資にもなりますから、システムの導入でどれくらいお得になるのか?
ぜひこの機会に無料の見積もり診断サービスを利用してみましょう。
《公式/全国対応》4年連続実績No.1!
≫太陽光発電の全国優良業者一括比較サイト
《公式/全国対応》完全無料で相談もOK
≫家庭用蓄電池一括見積もり比較サイト
イメージ画像
断熱リフォーム
断熱リフォーム(断熱リノベ)によって夏冬の光熱費20%~50%以上の削減も期待できます。
政府や各自治体も家庭の省エネ化を積極的に支援しており、リフォーム補助金(令和4年度は一戸15万円~300万円の補助金)も用意されています。
専門家のアドバイスを仰ぐことで”よくある失敗”を避けられますので、全国対応のリフォームプランニング比較サービスを上手く活用しましょう。
《公式/全国対応》タウンライフリフォーム
≫リフォーム会社見積もり比較サイト
タウンライフリフォーム

光熱費や温室効果ガス(CO2等)削減のために個人が出来ることは意外とたくさんあります。

上記の提案はどれも日本のエネルギー自給率の向上や経済発展の貢献にもつながりますので、それぞれに出来ることを追求していきましょう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA