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小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当 |
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この記事は2022年9月から2023年4月ごろの期間を対象としています。
2022年冬季当時の過去記事として参考にして下さいますようお願い致します。
燃料費調整に上限のない電気料金メニューに注意
ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響で、今も全国的に電気料金の値上がりが続いています。
一般家庭や小規模事業所向けの従量電灯A/B/C(3段単価のオーソドックスな電気料金メニュー)などには”燃料費調整額”の算定に上限があるため、値上げはストップしているものの・・・
しかし自由料金メニュー(※)にはその上限がないため、これからもある程度の値上がりが予想されます。
【例】中国電力株式会社の燃料費調整単価 推移グラフ(2021年10月~2022年10月)
燃料費調整に上限のない(値上がりする)自由料金メニュー例
【東京電力エナジーパートナー】
スマートライフS/L、夜トク8/12、スタンダードS/Lなど 【関西電力株式会社】
はぴeタイムR、eおとくプラン、なっトクパック(なっトクでんき)など 【九州電力エリア】
電化でナイト・セレクト、スマートファミリープラン、スマートビジネスプランなど 【中国電力株式会社】
電化Styleコース、ナイトホリデーコース、スマートコース、シンプルコースなど 【北陸電力株式会社】
くつろぎナイト12、従量電灯ネクスト、使っておとくライトなど
スマートライフS/L、夜トク8/12、スタンダードS/Lなど 【関西電力株式会社】
はぴeタイムR、eおとくプラン、なっトクパック(なっトクでんき)など 【九州電力エリア】
電化でナイト・セレクト、スマートファミリープラン、スマートビジネスプランなど 【中国電力株式会社】
電化Styleコース、ナイトホリデーコース、スマートコース、シンプルコースなど 【北陸電力株式会社】
くつろぎナイト12、従量電灯ネクスト、使っておとくライトなど
なお、上記以外の大手電力の自由料金メニューには今のところ上限単価が採用されています(上限を超える値上げはありません)が・・・
下記プランは2022年10月時点では燃料費調整額に上限が設けられています
【中部電力ミライズ】スマートライフプラン、ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプランなど ※2022年12月分より上限撤廃 ⇒公式プレスリリース 【東北電力株式会社】
よりそう+ナイト8/10/12、よりそう+ナイト&ホリデー、よりそう+eねっとバリュー、よりそう+ファミリーバリューなど ※2022年12月分より上限撤廃 ⇒公式プレスリリース 【北海道電力株式会社】
eタイム3プラス、エネとくスマートプラン、エネとくポイントプラン、エネとくS/M/Lプラン、エネとくシーズンプラスB/Cなど ※2022年12月分より上限撤廃 ⇒公式プレスリリース 【四国電力株式会社】
でんかeプラン、でんかeマンションプラン、おトクeプランなど※2022年11月分より上限撤廃 ⇒公式プレスリリース 【沖縄電力株式会社】
グッドバリュープラン、Eeホームホリデー、Eeホームフラットなど
沖縄電力を除く4社は2022年11月~12月に上限の撤廃を発表しています。
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(注)沖縄電力株式会社は今のところすべての料金プランに上限単価を採用しています
最新の調整単価と上限単価の差額
全国10電力エリアにおける2022年10月の燃料費調整単価と上限単価をグラフにしてみました。
上限のあるエリアの「差額」に注目です。
2022年10月の燃料費調整単価と上限単価の1kWhあたり差額
東京 | 関西 | 中部 | 東北 | 九州 |
---|---|---|---|---|
2.94円 | 5.23円 | 0円 | 0円 | 3.88円 |
北海道 | 中国 | 四国 | 北陸 | 沖縄 |
---|---|---|---|---|
0円 | 8.37円 | 0円 | 6.51円 | (注)実質0円 |
上の表を見ると、2022年10月の燃料費調整単価と上限単価の差額がもっとも大きい中国電力では1kWhあたり8.37円にもなることが分かります。
中国電力ぐっとずっと。クラブ利用客は要注意
中国電力株式会社における2022年10月の自由料金メニューの燃料費調整単価と上限単価の差額は1kWhあたり8.37円になります。
なんでそうなるのか、ちょっとよくわからないんだけど?
まずはじめに中国電力の電気メニューの料金表を見てみましょう。
区分 | 最低料金 | 1kWhあたりの電力量単価 | ||
---|---|---|---|---|
120kWhまで | 121~300kWhまで | 300kWh超 | ||
従量電灯A | 月15kWhまで 336.87円 |
20.76円 | 27.44円 | 29.56円 |
スマートコース | 月15kWhまで 227.37円 (―109.5円) |
20.79円 (+0.03円) |
27.47円 (+0.03円) |
29.59円 (+0.03円) |
シンプルコース | 1,650円/月 | 25.78円 (+5.02円~-3.78円) |
各プランの基本料金や電力量単価だけを見ると、さほど大きな違いはありませんが、
しかし、実際の電気料金には電力使用量に応じて燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されます。
ですので、それを含めて比較しないと正確なことは分かりません。
従量電灯Aの調整単価は1kWhあたり3.19円(上限単価)になることに対し、スマートコースやシンプルコースなどの自由料金メニューの2022年10月の調整単価は1kWhあたり11.56円になります。(上限の適用なし)
再生可能エネルギー発電促進賦課金は全プラン共通で2022年度は1kWhあたり3.45円です。
先ほどの料金表に2022年10月時点の”燃料費調整額”と”再エネ賦課金”の単価を加算すると、次のようになります。↓
区分 | 最低料金 | 1kWhあたりの従量単価 | ||
---|---|---|---|---|
120kWhまで | 121~300kWhまで | 300kWh超 | ||
従量電灯A | 月15kWhまで 384.71円 |
27.4円 | 34.08円 | 36.2円 |
スマートコース | 月15kWhまで 401.07円 (+19.36円) |
35.8円 (+8.4円) |
42.48円 (+8.4円) |
44.6円 (+8.4円) |
シンプルコース | 1,650円/月 | 40.79円 (+13.39円~+4.59円) |
これを見るとスマートコースの従量単価は、従量電灯Aと比べて1kWhあたり8.4円高くなっています。
あわせてチェックしたい参考記事
つまり月に200kWh程度しか電気を使わない家庭でも、スマートコースの電気代は従量電灯Aより1,680円も高くなるということです。(8.4×200=1,680)
ちなみに冬の電気使用量は一般的に増加する傾向にあり、月500kWhを超える家庭だと月4,200円以上も割高になる計算です。
上の表を見たら、シンプルコースの電気代もかなり割高になるみたいだね。
スマートコースやシンプルコースだけじゃありません。
オール電化住宅向けの”電化Styleコース”や”ナイトホリデーコース”を利用しているご家庭も注意が必要です。
電化Styleコースも従量電灯より割高になる可能性あり
下記は2022年10月の燃料費調整額と再エネ賦課金の単価を加えた”電化Styleコース”と”ナイトホリデーコース”と”従量電灯A”の料金比較表です。
区分 | 最低料金 | 1kWhあたりの従量単価 | ||
---|---|---|---|---|
120kWhまで | 121~300kWhまで | 300kWh超 | ||
従量電灯A | 月15kWhまで 384.71円 |
27.4円 | 34.08円 | 36.2円 |
区分 | 基本料金/月 | 1kWhあたりの従量単価 | ||
---|---|---|---|---|
デイタイム (その他季) |
ホリデータイム | ナイトタイム | ||
電化Styleコース | 1,650円 | 45.63円 (+18.23円~+9.43円) |
29.88円 (+2.48円~-6.32円) |
29.88円 (+2.48円~-6.32円) |
区分 | 最低料金 | 1kWhあたりの従量単価 | ||
---|---|---|---|---|
デイタイム (その他季) |
ホリデータイム | ナイトタイム | ||
ナイトホリデーコース | 1,650円 | 52.22円 (+24.82円~+16.02円) |
33.22円 (+5.82円~-2.98円) |
33.22円 (+5.82円~-2.98円) |
【デイタイム】平日9時~21時
【ナイトタイム】平日21時~翌9時
【ホリデータイム】土日祝日の全日
【ナイトタイム】平日21時~翌9時
【ホリデータイム】土日祝日の全日
ナイトタイムやホリデータイムはともかく、デイタイムの単価は電化Styleコースの方が1kWhあたり9.43円~18.23円も割高になります。
今後も燃料費調整単価の値上げが続き、従量電灯Aの3段目とナイトタイムやホリデータイムの従量単価の差額が縮まるようであれば、速やかに従量電灯Aへの切り替えをご検討ください。
デイタイムの電気使用量が多い家庭や、ナイトホリデーコースの電気代はすでに従量電灯Aより割高になっている可能性もあります。
冬前に従量電灯への切り替えを検討しましょう
2022年10月現在、自由料金メニューの燃料費調整単価と上限単価との差額が8円以上あるのは今のところ中国電力だけですが(沖縄電力の差額は実質0円のため除きます)
しかし北陸電力や関西電力も調整単価に5.23円と6.51円の差が生じています。
2016年4月の自由化前からある旧オール電化プラン等はすでに新規受付を終了しています。
一度でも別プランに切り替えると2度と元に戻すことはできないため、旧オール電化プランの切り替えはくれぐれも慎重にご検討ください。
※2016年4月以降に登場した新自由料金メニューについては切り替え後、元に戻すこともできます(一部プランを除く)
なお、東北電力と北海道電力、四国電力の自由料金メニューも11月~12月の上限撤廃後は、従量単価にそれぞれ6円以上の差額が生じることになります。
NPCプランでは燃料費調整単価の比較推移表を毎月1日(または2日)に更新していますので、切り替えで損をしないためにも以下の各ページのブックマークをお勧めします。
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