2016年の電力小売り自由化以降、電気料金プランの種類は専門家でも把握しきれないほど増え続けており、
「請求金額はチェックするけど、料金明細や詳しい仕組みは知らない」といった方も多いようです。
そこでこのページでは、一般家庭や小規模事業所向けの「低圧の電気契約」における電気料金の内訳についてわかりやすく解説します。
※法人向けの高圧電力や特別高圧はブラックボックス化しているため、ここでの解説は省きます
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この記事の監修担当
小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当 |
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電気料金の内訳『基本の型』
低圧の電気料金メニューは大きく分けると「電灯契約」と「電力契約」の2種類ありますが、料金体系はどちらも同じです。
※一般家庭では主に”電灯契約”が利用されています
それぞれの料金体系は、下記4項目で構成されます。
(注1)「戸別の割引額」については、ここでの紹介および解説は省きます
(注2)4項目はすべて消費税込みですが、ソフトバンクやauでんきなど一部の事業者は税抜き価格で表示していることもあります
(注3)九州電力エリアでは燃料費調整額に加えて離島ユニバーサルサービス調整制度による調整額が加算されます
「基本料金」は、”同時に使用できる電力や電流の大きさ”によって月額が異なります。
※電流の大きさはA、電力の大きさはKWまたはKVAという単位で表します
※電気使用量の単位はKWhです
電灯契約と電力契約の内訳は、上のイラストが基本形になるよ。
従量電灯(規制料金メニュー)の特徴
「従量電灯A/B/C(いわゆる規制料金メニュー)」は、一般家庭や小規模事業所の多くが契約しているオーソドックスな電気料金プランです。
※規制料金メニューの正式名称は、”電気特定小売供給約款による電気契約”です
従量電灯A/B/Cは比較的割高な料金設定になりますが、国の規制があるため誰であっても契約を断られることはありません。
主な特長としては次の2つが挙げられます。
- 月間電力使用量に応じて電力量単価が3段階で値上がりする
※区分は月間120kWhまでと121~300kWhまで、そして300kWh超です
(北海道では300kWhではなく280kWhになります) - ”燃料費調整額”には値上げの上限が定められている
関西・中国・四国の従量電灯Aと沖縄の従量電灯の場合
関西電力と中国電力、四国電力の「従量電灯A」と、沖縄の「従量電灯」には基本料金の設定はないんだよね。
その代わりに”最低料金”が設定されているよ。
自由料金メニューの内訳と特徴
規制料金メニュー以外の電気契約はすべて「自由料金メニュー」に該当します。
※新電力会社の料金プランも自由料金です
約款および価格等は各社自由に設定できるため、基本料金と電力量料金、そして燃料費調整額の詳細は各社・各プランでまったく異なります。
近年は燃料費調整額の代わりに独自の調整額を採用する小売電気事業者も増えており、各社の料金体系はより複雑になりつつあります。
ただし、再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価だけは全国共通で、どの地域に住んでいても、どの電力会社を利用しても使用量にもとづく再エネ賦課金は必ず同額になります。
オール電化プランなどの場合
「オール電化プラン」は数ある自由料金メニューの”通称”の一つです。
「時間帯別電灯」や「季節別時間帯別電灯」とも呼ばれており、その名のとおり電気をつかう時間帯や季節によって電力量単価が変動します。
深夜電力とか動力プランなんかも料金体系の型はこれと同じだよ。
市場連動型プランの内訳と特徴
”市場連動型プラン”には毎月の調整額がJEPX価格に連動している「間接型」と、電力量単価がJEPXのスポット価格と直接連動する「ダイナミックプライシング型(DPプラン)」の2種類あります。
毎月の調整額がJEPXに連動するプラン
「間接型」の市場連動プランを見分ける際には”燃料費調整額”の部分に注目してください。
燃料費調整額ではなく”電源調達調整費”や”市場調達調整費”または”燃料費等調整額”といった名称であれば、それは間接型の市場連動プランになります。
間接型市場連動プランを採用している小売電気事業者には、楽天エナジー(楽天でんき)や光〇信グループ傘下の新電力(ハルエネ・グランデータ・エフエネ・HTBエナジー・地域創成ホールディングスなど)があります。(その他の一覧はこちら)
このプランの調整額は燃料費調整額よりもかなり高額になるケースが多いため注意しましょう。
”電源調達調整費”や”市場調達調整費”はJEPXスポット価格の平均額に基づき算出されますが、算定式は各事業者ごとに異なります。
(注)燃料費調整額に市場連動の独自調整費を加算しているプランもあります
調整単価の公開時期が遅い(または公開していない)不誠実な事業者も多いことから、現時点では不透明な料金プランと言わざるを得ません。
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ダイナミックプライシング(DPプラン)
市場連動DPプランはJEPXのスポット市場価格と電力量単価が連動するタイプの電気料金メニューです。
JEPXスポット市場の仕入価格(=原価)は需要と供給のバランスによって毎日30分ごとに変動し、ある日の時間帯によっては最低取引価格の0.01円/kWhの時もあれば、30~60円/kWhを超えることもあります。
(※)災害時や需給ひっ迫時などには一時的に100~200円/kWhを超えることもあります
JEPX取引価格がなるべく安い時間帯に電気を使用するように心がけることで、安価な電気料金を実現できるところが市場連動DPプランの特長です。
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電気契約(料金メニュー)の区別表
全国の大手電力10社の「低圧の電気料金メニュー」を簡単に分類してみました。
【低圧契約】 100ボルトまたは200ボルトの電気契約(契約電力50KW未満) |
高圧・特高 | |||||||||
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【電灯】 同時に使用できる電流や電力(AまたはKVAまたはKW)によって区分けされます |
低圧電力 | 深夜電力 | 法人向け ※当ページでの紹介は省きます | |||||||
60A以下または6KVA(6KW)未満 | 6KVAまたは6kW以上 | 三相3線式200Vの電気契約 ・動力プラン ・動力コースなど | 電気給湯器用の電気契約 ・深夜電力A/B/C・融雪用電力など | |||||||
従量制電灯 | 時間帯別電灯 | 従量制電灯 | 時間帯別電灯 | |||||||
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規制料金メニュー | 規制料金メニュー | 規制料金メニュー | ||||||||
・従量電灯A (関西・中国・四国)・従量電灯B (北海道・東北・北陸・中部・東京・九州)・従量電灯 (沖縄)・農事用電灯・臨時電灯など |
・従量電灯B (関西・中国・四国)・従量電灯C (北海道・東北・北陸・中部・東京・九州)・公衆街路灯・定額電灯など |
・低圧電力・農事用電力・臨時電力など |
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