「エアコンの送風モードって実際どのくらい電気代がかかるの?」「冷房と比べてどれくらい安い?」と気になっている方に向けて、この記事ではエアコンの送風運転の電気代を具体的な数字で整理し、冷房・扇風機・サーキュレーターとの比較、効果的な使い方まで解説します。 送風モードの電気代は1時間あたり0.4〜1.6円と、冷房の10分の1以下です。ただし室温を下げる機能はないため、暑い日のすべてを送風で乗り切ることはできません。送風を効果的に活用できる場面を知っておくことが、夏の電気代節約の近道です。

エアコンの送風モードとは

まず「送風」が冷房や暖房と何が違うのかを整理しておきましょう。仕組みを理解することで、使うべき場面と使うべきでない場面が明確になります。

送風は「室外機を動かさない」モード

エアコンの冷房・暖房は、室外機のコンプレッサーが冷媒を循環させて熱を移動させることで室温を変えます。一方、送風モードはコンプレッサーを動かさず、室内機のファンだけを回して室内の空気をそのまま送り出す機能です。 消費電力の大部分を占めるコンプレッサーが停止するため、電気代が大幅に安くなります。ただし温度調整はできないため、あくまで空気を動かすだけです。

すべてのエアコンに送風機能があるわけではない

送風モードは比較的新しい機能で、古い機種には搭載されていないことがあります。リモコンに「送風」のボタンがない場合は、冷房の設定温度を室温より高く(たとえば31〜32℃)設定すると、コンプレッサーが動かず送風と同様の効果が得られます。

エアコン送風モードの電気代

送風モードの電気代を1時間・1日・1か月の単位で確認しましょう。電力料金単価の目安31円/kWhで計算します。

1時間あたりの電気代

送風モードは室内機のファンのみを動かすため、消費電力は機種によらずほぼ一定の低い水準に収まります。

メーカー・機種 送風時の消費電力 1時間あたりの電気代
パナソニック エオリア 約25W 約0.78円
日立 白くまくん 約20W 約0.62円
ダイキン うるさら 約30W 約0.93円
三菱電機 霧ヶ峰 約22W 約0.68円
シャープ Xシリーズ 約17W 約0.52円

どのメーカーでも1時間あたり1円以下に収まります。冷房の1時間あたり13〜28円と比べると、いかに送風が省エネかがわかります。なお、古い機種(10年以上前)では送風でも60W以上消費するものがあり、その場合は約2円/時間程度になります。

1日・1か月あたりの電気代

使用パターン 送風モードの電気代(目安)
1日8時間使用 約3〜13円
1日8時間を1か月(30日) 約90〜390円
24時間つけっぱなし 1日あたり約12〜37円
24時間つけっぱなし1か月 約360〜1,110円

24時間つけっぱなしにしても1か月で1,100円程度以下と、扇風機やサーキュレーターと同水準かそれ以下の電気代で使い続けられます。

送風・冷房・暖房・除湿の電気代を比較

エアコンの各モードで電気代がどれくらい違うのかをまとめて確認しましょう。モードによる差の大きさを知ることが、賢い使い分けの第一歩です。

モード別の電気代比較

運転モード 1時間あたりの電気代 1日8時間・1か月の電気代
送風 約0.4〜1.6円 約90〜390円
弱冷房除湿 約5〜10円 約1,200〜2,400円
冷房 約13〜28円 約3,100〜6,700円
暖房 約15〜46円 約3,600〜11,000円
再熱除湿 約15〜34円(冷房と同等か以上) 約3,600〜8,200円

注目したいのは再熱除湿が冷房と同等か、場合によっては上回るほど高コストになる点です。「除湿は冷房より安い」というイメージを持っている方は多いですが、再熱除湿は冷やした空気を再度温め直す二重の工程があるため、電気代が高くなります。自宅のエアコンがどちらの除湿方式か、取扱説明書で確認しておきましょう。

送風・冷房・扇風機・サーキュレーターの電気代比較

「送風と扇風機、どちらが安いのか」「サーキュレーターよりお得?」という疑問に答えます。

家電別の1時間あたりの電気代

家電 消費電力の目安 1時間あたりの電気代
エアコン送風 約17〜30W 約0.5〜0.9円
扇風機(DCモーター) 約10〜25W 約0.3〜0.8円
扇風機(ACモーター) 約30〜50W 約0.9〜1.6円
サーキュレーター(DCモーター) 約16〜25W 約0.5〜0.8円
エアコン冷房(6畳用) 約500〜700W 約15〜22円

エアコンの送風・扇風機・サーキュレーターはどれも1時間1円前後と、電気代はほぼ同水準です。差は1か月でも数十〜百円程度にとどまります。「何が一番安いか」よりも、目的に合わせて使い分けることが重要です。

送風・扇風機・サーキュレーターの使い分け

目的別の使い分けガイド
  • 送風:エアコンで冷えた部屋を維持しつつ空気を動かしたいとき。部屋の空気を循環させる効果がある
  • 扇風機:直接体に風を当てて体感温度を下げたいとき。広範囲に柔らかい風が届く
  • サーキュレーター:エアコンの冷気・暖気を部屋全体に循環させたいとき。強い直線的な風が特徴

送風モードが活きる場面と使い方

電気代が安い送風モードですが、使う場面を選ぶことで最大限に活かせます。おすすめの活用シーンを紹介します。

冷房後の室温維持に使う

エアコンで室温を冷やした後、設定温度に達したら送風モードに切り替えると、電気代を大幅に抑えながら冷えた空気を部屋全体に循環させ続けられます。「冷房で冷やして送風で維持する」使い方が最も電気代の節約につながります。

エアコン内部のカビ予防に使う

冷房・除湿を使った後のエアコン内部には、結露による湿気が残っています。そのまま電源を切るとカビが繁殖しやすくなります。使用後に30分ほど送風モードで動かすと内部が乾燥し、カビの発生を防いで冷房効率の低下を抑えられます。これは電気代の節約というよりも、エアコンのメンテナンスとして非常に重要な習慣です。

春・秋の涼しい日に扇風機代わりに使う

冷房を使うほどではないが少し蒸し暑い日や、扇風機が手元にないときは送風モードが扇風機の代わりになります。風向きを調整すれば直接体に風を当てることもでき、電気代も扇風機とほぼ同水準です。

冷房前の換気に使う

締め切った部屋で冷房を入れる前に、窓を開けて送風モードで室内の熱気を排出すると、冷房の立ち上がりが速くなります。フルパワー運転の時間が短縮されるため、冷房の電気代を下げる効果が期待できます。

就寝時に冷房から切り替える

就寝前は冷房で室温を下げ、眠りについてから送風モードに切り替えると、深夜の無駄な電力消費を抑えられます。タイマー機能を使えば自動で切り替わるため、起きて操作する必要もありません。冷房を半分の時間送風に切り替えるだけで、月1,500〜2,500円程度の節約になるケースもあります。

電気代を根本から下げるなら電力会社の見直しも

送風を上手に使っても、電力料金単価が高いままでは節約効果に限りがあります。電力会社を切り替えることで、エアコンを含む家全体の電気代を下げられる可能性があります。

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エアコンの送風電気代に関するよくある質問

エアコンの送風モードについてよく寄せられる疑問に答えます。

送風モードはつけっぱなしにしても大丈夫?

電気代の観点では、24時間つけっぱなしにしても1か月1,000円前後と非常に安く、家計への影響は軽微です。コンプレッサーが動かないため機器への負担も小さく、長時間稼働に向いています。ただし外気温が高い日に送風のみで過ごすと熱中症リスクが高まるため、気温に応じて冷房と使い分けましょう。

送風と冷房はどのくらい電気代が違う?

1時間あたりで比較すると、送風が0.4〜1.6円に対して冷房は13〜28円と、10〜30倍以上の差があります。1日8時間を1か月使い続けた場合、送風が100〜400円程度、冷房が3,000〜6,700円程度と大きな差が生まれます。この差を活かし、冷房で室温を下げた後に送風で維持する使い方が最も節電効果の高い方法です。

送風モードはエアコン内部の乾燥に本当に効果がある?

効果があります。冷房・除湿運転後のエアコン内部には結露由来の水分が残り、放置するとカビや異臭の原因になります。使用後に10〜30分ほど送風モードで動かすことで内部が乾燥し、カビの発生を抑えられます。最近のエアコンには使用後に自動で送風乾燥を行う「内部クリーン機能」が搭載されているものもあります。取扱説明書で確認してみましょう。

除湿モードと送風モード、どちらが節電になる?

電気代は送風のほうが圧倒的に安いです。ただし除湿モードは湿度を下げる効果があり、じめじめした日は体感の快適さが大きく変わります。弱冷房除湿なら1時間5〜10円程度と冷房よりは安く、適度な除湿効果も得られます。送風だけでは蒸し暑さが改善しない梅雨時や夏の湿度が高い日は、弱冷房除湿との使い分けがおすすめです。