電力会社の切り替えは何度でもできると聞きましたが、本当でしょうか？
あまり何度も変えたり出戻りするとブラックリストに載ったり、ペナルティを受けることはないのでしょうか？
この記事の監修担当
 | 小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当 |
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小売電気アドバイザーの回答
電力会社を何度のりかえても、それによるペナルティはありません。
でもさぁ、短期間にスイッチングを何度も繰り返してブラックリストに載ったりはしないの？
2016年4月の電力小売り自由化から6年ほど経ちますが、乗り換えを繰り返したからといってブラックリストに載るなど、そんな話は噂すら聞いたことがありません。
筆者はこれまで10回の乗り換え実績あり
弊社事務所では小売電気事業者の切り替え手続きをこれまで計10回経験しています。
1年のうちに3回乗り換え手続きをしたこともありますし、元の電力会社（北陸電力）に出戻りしたこともあります。
しかし、それによって電力会社やその中の人達との間に軋轢が生じたり、不公平なサービスを被ったことは何一つありません。
（注）ただし同じ電力会社で料金プランの切り替えや契約アンペア数の変更を行う場合、1年間に1回までといったルールが定められていることもありますので予めご了承ください
小売電気事業者の切り替えは公的機関が支援しています
（注1）”電力広域的運営推進機関”は電気事業法に基づく認可法人です（注2）”スイッチング支援システム”とは電力託送契約の切り替えに係る各種業務を支援するために開発された公的なサービスです
画像引用元；電力広域的運営推進機関「スイッチング支援システム小売電気事業者向け説明会資料」
このスイッチング支援システムにおいて小売電気事業者の切り替え回数に制限などはありません。
各需要家（一般家庭や事業所など）が乗り換えたいと思ったタイミングで、いつでも何度でも自由に手続きできます。
電力会社の乗り換え（切り替え）ができないケース
なお、いくつかの条件によっては自由には切り替えできないケースもあります。
その主な事例として次の4つが挙げられます。
- 特定の電力会社と集合住宅全体で契約している（高圧一括受電）
- 大家さんの方で電気代を取りまとめて支払っている
- 賃貸契約の際に、指定の電力会社を利用する規定がある
- 離島に住んでいる
①と④の場合は電力会社の乗り換えは完全に不可能です。
ただし、②と③のケースでは大家さんや管理会社との交渉次第では切り替えできることもあります。
解約時の違約金や解除手数料などに注意
先ほども説明したように、小売電気事業者（≒電力会社）の切り替えに制限はありません。
しかし小売電気事業者によっては解約時に手数料や違約金を請求してくるところもあるため注意しましょう。
例えば光通信グループやIT関連の販促企業が手掛ける新電力サービスには2～3年の契約縛りや、高額な解約手数料が設定されていることもあります。
もし契約縛りがあっても、解約や他社への乗り換えを拒む行為は電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン内でも明確に禁止されているため、切り替え手続きを断られることはありません。
ですがそのような企業を利用すると高額な違約金のせいで、せっかくの自由を制限されてしまいます。
電力会社を乗り換える際には、初めから解約違約金や契約解除手数料を設けていない企業やプランを選ぶように気をつけましょう。
電力会社の乗り換えの際に解約手続きは不要です
同じ住所地でのスイッチングなら、いま利用している電力会社にわざわざ解約の連絡をする必要はありません。（というか、してはいけません）
スイッチング支援システムにおいて従前の電力会社の解約手続きは、新たに申し込みを受けた小売電気事業者側が行う仕組みになっています。
にもかかわらず利用客側が先に解約手続きをしてしまうと、スイッチング支援システムによる手続きができなくなります。
そしてその場合は”切り替え”ではなく、”新規契約”という流れになりますので予めご留意ください。
乗り換える前に知っておきたい豆知識
電力会社の切り替え手続きはインターネットなら、すべてPCやスマホの画面上だけで完了します。
電話等で確認が来ることもまれにありますが、他人と直接かかわるようなことはほぼありません。
※ただし切り替えが初めてで旧式の機械式メーターを設置している場合には、スマートメーターに取り換えるために10分程度の立ち合いを求められることもあります
スマートメーターって、切り替えのたびに取り換えるの？
耐用年数（10年）が来るまでは、そう何度も取り換えるものではありません。
実際に切り替わるまでには意外と時間がかかります
電力会社の切り替え手続き自体はインターネットなら5～10分程度で完了します。
ただし実際に切り替わる日時は次月（次回）の検針日が起点になりますので、タイミングによっては完了まで1か月半ほどかかることもあります。（とくに年末年始あたりは2か月以上待たされることも。）
申し込みの受付後いつまで経っても連絡が来ないことに不安になる人も多いようですが、特に問題がなければ普通は2週間～1ヶ月程度で新たな小売電気事業者に切り替わります。
切り替え当日に停電するようなことはないの？
大丈夫です。
スイッチングで実生活に影響が生じるようなことはありません。
電力会社（≒小売電気事業者）のスイッチングは集金の窓口が変わるだけで、送配電の設備（電柱や電線）が変わるわけではありません
どの窓口を選んでも電気の安定供給や災害時などの補償対応はなんら変わりません。
一般家庭などへの電力安定供給は政治的に強く保障されています。
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