電力詐欺トラブル対策

新電力詐欺やトラブルの種類、対処法について

訪問販売で困っている女性のイメージ画像

2016年の電力自由化以降、新電力に切り替える人が年々増えており、2020年あたりには流行の様相もありました。

電力小売の切り替え件数は4年間ずっと右肩上がり、下記の資料にもあるように、従来の電気料金プランを切り替えている全国世帯数はすでに20%以上を超えています。

参考資料:経済産業省プレスリリースより
スイッチング件数の推移

しかし!それと同時に、電力切り替えに係わるトラブルが全国的な問題にも。。

顧客争奪戦が激化したせいか国民生活センターなどに寄せられる電力営業に関する相談は年々増加の一途で、トラブルは絶えない。
電話勧誘を断ったのに申込完了の書面が届いた、勧誘員が社名を名乗らずに営業をしてきたなど、相談される内容は多岐にわたる。

下記2つの資料を見てもわかるように、消費生活センターや経済産業省の相談窓口に寄せられている相談件数は、2017年から2019年にかけて急増しています。

「消費生活センター」への電力小売に関する相談件数の推移
電力の小売に関する相談件数
「電力ガス取引監視等委員会 相談窓口」への相談件数の推移
電力の小売に関する相談件数 委員会調べ

電力の小売に関するトラブルとは?

電力の小売に関する相談の多くは、電力会社の下請けを名乗る事業者からの電話勧誘や、新電力会社の訪問営業に係わるトラブルです。

清水
ホントにもう、悪質な事業者や詐欺師はどこにでも現れますね。

ただ、真面目に訪問営業をしている新電力会社も決して少なくはありません。

実際にはちゃんとした会社の方が多いので、自宅にまで営業に来たからといって、問答無用で詐欺と決めつけるのは、さすがにかわいそうな話です。

トラブル事例を確認しておこう

電力会社の切り替え営業には、どういったトラブルがあるのか?

あらかじめ多く寄せられている相談内容を知っておくと、いざという時に悪質な業者かどうか判断もしやすくなります。

以下、よくある相談内容と、その回答および対処法を案内していますので、参考にしてください。

よくある新電力トラブルの事例
  1. 営業マンに言い包められて、よくわからないまま契約してしまった。解約したいがどうすればいい?
    → 対処法
  2. 営業マンの言うことを信じて切り替えたのに、電気代が思っていたよりも高かった。損害賠償してもらえるのか?
    → 回答
  3. スマートメーターを設置するための工事費を請求された。
    → 対処法
  4. 営業マンに断ったはずなのに、知らない間に電力会社が変わっていた。どうすればいい?
    → 対処法
  5. 大手電力会社の下請けとか子会社とか、委託を受けてきたと言っているが本当か?
    → 回答
  6. 電気料金が同じ月に何回も引き落とされていた。返金してもらえるのか?
    → 対処法
  7. 解約を依頼しても解約できないと言われた。高額な違約金を請求された。
    → 対処法
【2021年の最新情報】
国民生活センターならびに消費生活センターに多く寄せられた最新のトラブル事例と、それに対する経産省の電力・ガス取引監視等員会のアドバイスが発表されています。
あわせて参考にしてください。
電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.17 >
電力・ガスの契約内容をよく確認しましょう
(PDFファイル)
電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.18 >
電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています
(PDFファイル)
電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.19 >
電力・ガスの契約に関する相談が多く寄せられています
(PDFファイル)
この記事の監修担当
SFP

新エネルギーメディア事業部 編集班
小売電気事業・都市ガス小売事業・太陽光発電事業・家庭向け蓄電池販促事業などの広報を担当
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営業マンに言い包められて、よくわからないまま契約してしまった。解約したいがどうすればいい?

Anser.

訪問営業や電話勧誘による契約の場合は、契約書を受け取ってから8日以内であればクーリングオフが可能です。

口座振替を依頼した方は、事業者宛てにクーリングオフを通知すると同時に、銀行や郵便局でその会社からの引き落としを止めてもらいましょう。

契約書を受け取ってから8日間を過ぎている場合でも、営業マンの勧誘が特定商取引法や消費者契約法における禁止事項に抵触していれば、契約の無効を主張することで無事に解約できる可能性があります。

その場合には経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会や消費生活センターで相談したり、法テラスの無料相談などを利用しましょう。

電力・ガス取引監視等委員会
相談窓口 TEL:03-3501-5725
(平日 9:30~12:00、13:00~18:15)
国民生活センター
TEL:局番なしの188

なお、電話勧誘や訪問営業ではなく、自分から申し込んだ方や、契約書面を受け取って8日間を過ぎている場合は、クーリングオフは適用されません。

その場合は以前の電力会社もしくは別の新電力に、改めて電気契約を申し込んでください。

電気契約を他社に切り替える場合、トラブル元の事業者に対してわざわざ解約の連絡をする必要はありません。

国(電力広域的運営推進機関)のスイッチング支援システムが機能していますので、他の電力会社に新たな電気供給契約を申し込むだけで、その前の電気契約は自動的に解約されます。

営業マンの言うことを信じて切り替えたのに、電気代が思っていたよりも高かった。損害賠償してもらえるのか?

Anser.

契約内容が特定商取引法や消費者契約法における禁止事項に抵触していれば、契約の取り消しおよび無効を主張することで、それまでに生じた実質的な損害補填額を請求することはできます。

ただし、損害とみなされる額は低額になることが考えられるため、損害賠償を請求しても回収できる可能性は低いと言わざるを得ません。

営業マンの甘い言葉をむやみに信じることなく、面倒でもあらかじめ契約書面をきちんと確認することが大切です。

訪問してきた営業マンはあれこれ理由をつけて即決を求めてくるかもしれませんが、電気契約をその場で決めなければならない理由は何一つありません。

WEB上の電気料金比較シミュレーションを利用するなどして、本当に電気代が安くなるか?ご自身で確認するように気をつけてください。

余談ですが、訪問営業や電話勧誘をしてくる代理店は、電力会社から1件あたり数千円~1万円近い成約報酬を得ています。

マンションやアパートの管理会社の中にも、その高額報酬を得ようとして、電力自由化をよく知らないような一人暮らしの人や、引越ししたばかりの学生に対して、不誠実な新電力会社を勧めているところがありますので気をつけましょう。

スマートメーターを設置するための工事費を請求された。

Anser.

新電力会社の電気契約に切り替えると、地域の電力会社が旧式の電力量メーターを無償でスマートメーターに取り換えてくれます。(これは地域電力会社の義務になっています)

ですからスマートメーターの交換工事や設置の際に、費用が発生することは原則としてありません。

ただし、旧式のメーターを交換するために、何かしら個別の理由で特別な工事が必要になる場合は、工事費用が発生するケースもあります。

もし工事費用を請求されるようなことがあれば、まずは地域電力会社の方に確認してみましょう。

余談ですが、スマートメーターをつけると電気料金が安くなるといって勧誘してくる業者もあるようです。

しかし、スマートメーターを付けただけで電気代が安くなるようなことは一切ありません。

スマートメーターの設置費用を割引とか免除とか言いながら、近づいてくる営業マンにも気をつけましょう。

また、スマートメーターの設置作業のために、検針票に記載されている情報は必要ありません。

設置を理由に供給地点特定番号やお客様番号などの個人情報を聞き出そうとする事例も多いので注意してください。

営業マンに断ったはずなのに、知らない間に電力会社が変わっていた。どうすればいい?

Anser.

勧誘の際に個人情報をだまし取られたことも考えられます。

現在利用中の電力会社の検針票に記載されている「お客様番号」と「供給地点特定番号」、この2つの個人情報が分かりさえすれば、家人の許可をとらずに電力会社やプランの切り替えを依頼することが可能だからです。

訪問営業で「検針票を見せてほしい」と言われたり、「お客様番号や供給地点特定番号を教えてほしい」と言われても、営業マンに教える必要はありません。

引き落とし口座の暗証番号を聞いてくるような営業マンもいるようですが、絶対に教えてはいけません。

このケースの場合、まずは経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会や消費生活センターに相談しましょう。

電力・ガス取引監視等委員会
相談窓口 TEL:03-3501-5725
(平日 9:30~12:00、13:00~18:15)
国民生活センター
TEL:局番なしの188

大手電力会社の下請けとか子会社とか、委託を受けてきたと言っているが本当か?

Anser.

新電力会社の名前を出しても信用されないことから、大手電力会社の名前を出して信用させようとする営業マンもいますが、これは特定商取引法においてアウトとなる行為です。

自社名やその所在地、連絡先などをきちんと提示しない輩と契約をしてはいけません。

「大手電力会社が供給する電気なので大丈夫ですよ」などと言いながら、疑問や質問に対して誠実に回答しない事業者も、相手にしないように気をつけてください。

また、電力の調査や営業名目で、個人情報を取得しようとする輩もいます。

例えば「弊社は電力会社と提携しており、検針表の写真を取らせてもらい、写真をその電力会社に送信すると、今より安い料金プランを提案できます」などと言って、検針票の情報を集めようとする事例もあるようです。

検針票の情報さえあれば、誰でもその家の電力会社を変えるための手続きを取ることができるため、検針票はむやみに他人に見せびらかさないよう気をつけてください。

電気料金が同じ月に何回も引き落とされていた。返金してもらえるのか?

Anser.

電気料金がひと月に2回以上引き落とされるようなことは一般的にありません。(特殊な契約の場合を除く)

そういったことがあれば、まずは契約先の電気事業者に連絡し、適切な回答がなければ、速やかに経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会 相談窓口に連絡しましょう。

電力・ガス取引監視等委員会
相談窓口 TEL:03-3501-5725
(平日 9:30~12:00、13:00~18:15)

解約を依頼しても解約できないと言われた。高額な違約金を請求された。

Anser.

顧客が解約を希望しているのにそれを拒む行為は、電気通信事業法および特定商取引法で禁止されています。

違約金については、当初の契約書面の内容を確認しましょう。

契約内容が悪質で納得いかない場合には、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会や消費生活センターで相談してみましょう。

電力・ガス取引監視等委員会
相談窓口 TEL:03-3501-5725
(平日 9:30~12:00、13:00~18:15)
国民生活センター
TEL:局番なしの188

なお、電気契約を他社に切り替える際には、前の会社に対してわざわざ解約の連絡をする必要はありません。

国(電力広域的運営推進機関)のスイッチング支援システムが機能していますので、新しく電力会社に電気供給契約を申し込むだけで、その前の電気契約は自動的に解約されます。

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電気ガス なんでもQ&Aまとめ
🕒️2021年5月8日
電力自由化や電力システム革命、新電力会社の疑問・質問に対する、NPCプラン編集部の回答記事を案内しています

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