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ポータブル蓄電池

停電対策や防災目的でポータブル電源を購入するときの注意点

女性

ポータブル電源には「蓄電池タイプ」と「発電機タイプ」の2種類あり、停電対策や防災を目的とした際の製品価格はどちらも10万円~20万円くらいが相場です。(2022年現在)

ただ、発電機タイプのポータブル電源はガソリンや軽油などの燃料を使用するため、騒音や匂いのほか火災の危険性もあって屋内では使用できません。

そこでこのページでは屋内でも安全に使用できる蓄電池タイプのポータブル電源(以下、ポタ電に略します)にスポットを当て、どういった製品を選ぶと良いか?順番にわかりやすく解説します。

清水
あまり安過ぎるポタ電はいざという時に使いたい家電が使えないケースも多く、大容量と言いながらも、ただ重いだけのモバイルバッテリーになりかねません。
無駄な買い物を避けるために以下の項目をチェックしておきましょう。

はじめに購入の目的をハッキリさせておく

ポタ電は数万円から10万円以上する高額商品です。
衝動買いはなるべく避け、まずは購入の目的を明確にしましょう。

  1. 停電や防災対策として自宅で使用する
  2. キャンプや車中泊などアウトドアで使用する
  3. アウトドアと停電・防災対策の両方

①の防災目的の場合には、冒頭でも説明したように10~20万円のポタ電が目的に適います。
しかし②と③の場合だと、10万円以上のポタ電では重量が10㎏以上にもなるため持ち運びには向きません。
アウトドアで使用する際には5㎏前後、重くても7㎏程度までの製品を選んだ方が良いでしょう。

清水
参考までにポータブル蓄電池の販売価格は、製品重量1㎏あたり約1万円がおおよその目安になります(2022年現在)

ポタ電で利用する家電の種類は?

ポタ電で利用できる電気機器の種類や数は、各製品の「定格出力」によって決まります。
※定格出力は「AC出力」と呼ばれることもあり、どちらもW(ワットという単位で表示されています

例えば家庭用の掃除機の場合、定格出力200W(ワット)のポタ電でそれを稼働させることはできません。
なぜなら家庭用掃除機の消費電力は一般的に300~500W以上に上り、出力200Wのポタ電ではまったくの力不足になるからです。

掃除機と安価なポタ電のイメージ画像

また、定格出力500Wのポタ電でも掃除機(消費電力500W)と液晶テレビ(消費電力150W)を同時に使用しようと思うと出力が足らず、やはり役に立ちません。

停電や災害時に冷蔵庫やテレビ、電子レンジ、照明など複数の家電を同時に使用するためには、少なくとも定格出力が1,000W(ワット)以上のポタ電を選ぶ必要があります。

2~3万円以下の安価なポタ電の定格出力は200~300W程度しかないケースがほとんどで、いざという時に使える家電品の種類や数はかなり限定されます。

よくある「大容量」などといったうたい文句にはあまり(まど)わされないようにして下さい。

一般家電品の消費電力(稼働のために必要な定格出力)
消費電力 家電の種類
100W以下 スマートフォン、ノートパソコン、小型テレビ、空気清浄機電気、電気毛布、扇風機、照明器具など
300W以下 液晶テレビ、冷蔵庫、フードプロセッサー、ミキサー、ファンヒーターなど
300W〜700W 4K有機Elテレビ、食器乾燥機、掃除機、ふとん乾燥機、ホットカーペット、プロジェクター、全自動洗濯機など
700W〜1500W ドラム式洗濯乾燥機、電子レンジ、IH炊飯器、ホットプレート、電気ケトル、ドライヤー、卓上IH調理器、オーブントースター、セラミックファンヒーターなど
1,000W以上のポータブル蓄電池のイメージ画像

消費電力(W数)と蓄電容量(Wh数)の違いを知る

ポタ電の定格出力や家電品の消費電力は「W(ワット)」という単位になりますが、ポタ電の性能を示す重要な数値にはそれとは別に「Wh(ワットアワー)」もあります。

WとWhのイメージ画像

Wh(ワットアワー)」とは電気の”消費量”(または蓄電(ちくでん)容量)を表す単位になり、これによって電気機器をどれくらいの時間使用できるか(使用したか)が分かります。

清水
W(ワット)の大きさで「どういった種類の電気機器を使用できるか?」が決まることに対し、
Wh(ワットアワー)の大きさでは「ある電気機器をどれくらいの時間使用できるか?」がわかります。

例えば蓄電容量500Wh(ワットアワー)のポタ電の場合、消費電力が50W(ワット)の家電品なら満充電で10時間の連続使用ができ、消費電力100Wの家電であれば5時間の使用が可能です。
(500Wh = 500W × 10h および 500Wh = 100W × 5h)

そして蓄電容量が1,000Whの場合には消費電力50Wの家電を20時間、消費電力100Wの家電なら10時間を連続使用できるという計算です。
(1,000Wh = 50W × 20h および 1,000Wh = 100W × 10h)

【参考】大容量ポタ電 EcoFlow DELTA Max1600で利用できる家電と稼働時間の一例
利用できる家電品の種類と稼働時間のイメージ画像

目的に合ったスペックの製品を選ぶ

ポタ電を選ぶ際には、まずはそれを使って利用したい電気機器の消費電力W(ワット)数)を確認します。
そしてその電気機器を何時間くらい連続使用したいのか?に応じて、バッテリーの容量Wh(ワットアワー)数)を決めます。

  • アウトドアで当日使用の場合
    バッテリー容量の目安は300Wh(ワットアワー)前後
    【例】
    スマートフォンの充電(10W)、小型扇風機(15W)、ラジオ(15W)、照明(30W)を4時間ほど使用
    (10+15+15+30)W×4時間 = 280Wh
  • キャンプや車中泊で1~2日使用する場合
    バッテリー容量の目安は500~700Wh(ワットアワー)前後
    【例】
    小型扇風機(15W)、ラジオ(15W)、車載冷蔵庫(50W)、照明(30W)を計7時間ほど使用
    (15+15+50+30)W×7時間 = 770Wh
  • 停電対策や防災を目的とする場合
    バッテリー容量の目安は1,000Wh(ワットアワー)以上
    【例】
    小型扇風機(15W)、ラジオ(15W)、照明(30W)を20時間使用
    (15+15+30)W×20時間 = 1200Wh
ポタ電を防災目的で自宅使用する場合には、なるべくバッテリー容量の大きい製品を選ぶべきです。
ただし、後からバッテリーを拡張できるメーカーもありますので、とりあえずは1,000~1,500Wh程度を購入の目安にすると良いでしょう。

なお、ポタ電はバッテリー容量によって販売価格が決まるといっても過言ではなく、2022年の時点では100Wh(ワットアワー)あたり1万円がおおよその目安になります。

たとえばバッテリー容量500Whのポタ電なら販売価格は約5万円、1,000Whなら約10万円、2,000Wh(2kWh(キロワットアワー)なら20万円前後になります。

この目安から大きく外れるような商品は購入を見送った方が良いかもしれません。

あらかじめ知っておいた方が良い豆知識

電気の波形と周波数について知っておく

ポータブル電源にはDC(直流電源)をAC(交流電源)に変換する「インバーター」という装置が内蔵されており、その品質によって電気の波形は「正弦波」「矩形波」「修正正弦波」の3タイプに分かれます。

製品価格5万円以上のポタ電ならほぼ「正弦波」になるため問題ありませんが、2~3万円以下の安価な製品だと「修正正弦波」や「矩形波」になることがよくあります。

修正正弦波や矩形波のポタ電は精密機械を故障させてしまう恐れもありますので、安物買いの銭失いにならないようご注意ください。

周波数(50Hz・60Hz)について

日本は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は50ヘルツ、西側は60ヘルツの電気が送られています。

周波数分布一覧表

そのため家電品には必ず「50Hz(ヘルツ)」か「60Hz(ヘルツ)」もしくは「50/60Hz」といった表示がされています。

「50/60Hz」と表示があるものはヘルツフリーなので全国どこでも使用できますが、「50Hz」または「60Hz」の単独表示の家電品については使用地域が限定されます。

単独表示の家電品を使用する際には、なるべく周波数の切り替えができるハイスペックなポタ電を選びましょう。

バッテリー(リチウムイオン電池)の種類

ポタ電のバッテリーは一般的にリチウムイオン電池を採用しており、リチウムイオン電池にも電解質などの違いによって様々な種類があります。

今のところ安全性とコストパフォーマンスの観点から「リン酸鉄系」「三元系」「NCA系」が主流ですが、その中でも「リン酸鉄系」のリチウムイオン電池は充放電サイクル(バッテリーの寿命)がより長いことから人気も高まっています。

Wh(ワットアワー)mAh(ミリアンペアアワー)の違い

リチウムイオン電池の容量はWh(ワットアワー)とは別に、mAh(ミリアンペアアワー)という単位で表示されることもあります。
mAhは「電力の量」ではなく「電流の量」を表しており、主にモバイルバッテリーの容量を表記する際に使われます。
家電品の使用にはあまり関係のない単位ですが、電流量(mAh)を電力量(Wh)に変換する際には以下の計算式を用います。
■ Wh = V(電圧)× mAh(バッテリー容量)÷ 1000
なお、一般的なモバイルバッテリーの電圧は3.7Vになりますので、実際の電力量は下記の計算式を用いて変換してください。
■ Wh = 3.7 (V) × mAh(バッテリー容量)÷ 1000
簡単な変換フォームはこちらを参考にどうぞ↓(他社サイトに移行します)

充電時間と使用温度範囲

リチウムイオン電池はその特性上、常に100%満充電にしてキープするよりも、普段は60%~80%の状態にしておいた方がバッテリーの負荷が減って長寿命につながります。
EcoFlow(エコフロー)の製品は満充電のレベルをあらかじめ5%単位で指定できるので、そういったポータブル蓄電池を選ぶと便利です。

それと、バッテリーが0%の状態であまり長期間放置すると性能の劣化や故障につながります。
そうしたことを防ぐためにも普段使いするか、もしくは定期的に(2~3か月に一度)80%程度の充電をするよう心がけましょう。

使用温度範囲について

市販されているポタ電のほとんどは正常動作を保証する温度範囲が-10~40℃とされています。
気温(室温)が-10℃を下回るような環境でポタ電を使用すると、バッテリーが急速に消耗しますのでご留意ください。

ちなみにEcoFlow(エコフロー)の製品の温度範囲は-20~60℃とされていますが、厳冬期に使用する際には保管場所などに一定の注意が必要です。

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