『ゼロからでんき』は「TEPCOライフサービス」が運営する新電力サービスです。
(※)TEPCOライフサービスは東京電力ホールディングスの100%子会社である東京電力ベンチャーズ株式会社が100%出資し、2019年10月に設立された東電HDグループ会社です
TEPCOライフサービスは昨今の燃料高騰と、それに伴う調達コスト増加等を理由に2023年1月31日(火)をもってサービス提供の終了を発表しています。
当ページの内容はあくまでも過去情報として参考にしていただきますようお願いいたします。
TEPCOライフサービス株式会社のゼロからでんき
来年1月末をもって小売供給を終了するそうです。https://t.co/imv9o5SuR8
まぁ、ダメなのはどんどん潰して新陳代謝を促せば良いと思うけど、、
東電はいったい何がしたかったんだ?と思わなくもない。— N|電気ガス料金比較アドバイザー (@taizo1974) November 23, 2022
南部修一 |
※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
「基本料金なし&一本単価」の新電力
ゼロからでんきの基本料金は、契約容量(A数やkVA数)にかかわらず無料
そして電力使用量(kWh数)にかかわらず、電力量単価は一律価格(一本単価)というシンプルな料金プランを採用しています。
エリア | ひと月の基本料金 | 1kWhあたりの電力量単価 | |
---|---|---|---|
60A以下または6kVA未満の電灯契約の場合 | 6kVA以上の電灯契約の場合 | ||
北海道 | なし | 28円 | 30円 |
東北 | なし | 24.9円 | 26円 |
北陸 | なし | 21.3円 | 22.4円 |
中部 | なし | 22.9円 | 24円 |
東京(関東) | なし | 24.2円 | 25.3円 |
関西 | なし | 22円 | 23円 |
中国 | なし | 23.8円 | 24.8円 |
四国 | なし | 23.8円 | 24.8円 |
九州 | なし | 22円 | 23円 |
沖縄 | なし | 27円 | 27円 |
なお「基本料金無料&一本単価」を採用している新電力は「ゼロからでんき」だけではありません。
元祖的な新電力としては「Looopでんき」がありますし、
TEPCOライフサービスと同じ東電HDグループの「あしたでんき」や、ソフトバンクの「自然でんき」など、他にもたくさんあります。
(注)あしたでんきは2022年5月末をもって小売電気事業から撤退しました
各社の電力量単価比較表
「基本料金なし」で知られる主な新電力の電力量単価を比較してみましょう。
昨今の世界情勢による影響で電力市場の高騰が続いており、2022年3月頃からは小売電気事業からの撤退や事業譲渡、料金プランの値上げに踏み切る新電力会社が続出しています。
Looopでんきや楽天でんきは2022年6月より電力量単価を値上げしており、あしたでんきも小売電気事業からすでに撤退していますので、当ページの内容はあくまでも2022年3月以前の過去情報として参考にしていただきますようお願いいたします。
1kWhあたりの電力量単価 (60A以下または6kVA未満の電灯契約) |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
ゼロからでんき | あしたでんき | Looopでんき | ピタでん | 楽天でんき | ソフトバンク自然でんき | |
北海道 | 28円 | - | 29.5円 | 28.77円 | 30円 | 31.57円 |
東北 | 24.9円 | 26円 | 26.4円 | 25.71円 | 26.5円 | 27.5円 |
北陸 | 21.3円 | - | 21.3円 | 21.13円 | 22円 | - |
中部 | 22.9円 | 26円 | 26.4円 | 25.71円 | 26.5円 | 27.5円 |
東京 (関東) |
24.2円 | 26円 | 26.4円 | 25.71円 | 26.5円 | 26.48円 |
関西 | 22円 | 22円 | 22.4円 | 21.59円 | 22.5円 | 23.42円 |
中国 | 23.8円 | 24円 | 24.4円 | 23.57円 | 24.5円 | 25.46円 |
四国 | 23.8円 | - | 24.4円 | 23.93円 | 24.5円 | 25.46円 |
九州 | 22円 | 23円 | 23.4円 | 22.66円 | 23.5円 | 24.44円 |
沖縄 | 27円 | - | - | - | 27円 | - |
ゼロからでんきのデメリットとは?
私たちが毎月支払っている電気料金は「基本料金」と「従量料金」の2つだけで構成されているわけではありません。
それとは別に「燃料費調整額単価」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金に略します)」という金額が、毎月の従量料金に比例するカタチで加算されています。
燃料費調整額と再エネ賦課金は、ほとんどの小売電気事業者が各エリアごとに同じ金額にあわせています。
ただし、中にはエコスタイルでんきのように燃料費調整額を加算していない新電力や、みんな電力のように独自の電源コスト調整単価を採用しているところもあります。
また、ピタでんやLooopでんきのように再エネ賦課金込みの料金プランを提供している新電力もあります。
電気料金の仕組みは各社ごとにバラバラで複雑になっていることもあり、燃料費調整額と再エネ賦課金だけでも、一般消費者に誤解させていることが多く見られます。
電気料金に「電源調達費調整額」が別に加算される
ゼロからでんきでは燃料費調整額と再エネ賦課金だけでなく「電源調達費調整額」が加算されます。
そして燃料費調整額は「燃料費等調整額」という名前に変わり、その燃料費”等”調整額の単価には「X」や「Y」といった謎の数字も加わります。
燃料費等調整単価= 燃料費調整単価 × 「x」 + 電源調達費調整単価 × 「y」
電源調達費調整額って何?
少々難しい話なので、なるべく簡単に説明すると、
ゼロからでんきの「電源調達費調整額」は日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動します。
これは一般的な燃料費調整額と同じように、プラス調整のときもあればマイナス調整になることもありますが・・・
市場価格に連動するということは、夏場や冬場などの需要ひっ迫時には大きく値上がりする可能性があるということです。
また市場調達に100%依存している新電力の場合、災害時などには仕入れ値が通常の10倍以上になる可能性もあります。
つまりTEPCOライフサービスは電源調達リスクを回避するために、いつでも自社の料金単価を調整できるよう「電源調達費調整単価」や「燃料費”等”調整額」といった独自の設定を用いているわけです。
現時点ではデメリットの方が大きい
「ゼロからでんき」はまだスタートしたばかりの新電力なので、サービスはこれから良い方向に変わっていく可能性もあります。
ですが現時点ではゼロでんきを契約・利用するメリットはないでしょう。
たとえばゼロからでんきでは、8月31日まで「1億円キャシュバックキャンペーン」を開催していますが、
キャンペーン期間中に契約した方については、じつは2年以内の解約で5,000円の違約金が発生するという特約が付くことになります。
ということは、今後どうなるか?よくわからない不透明な新電力プランを、2年間利用し続けなければ受け取った特典(5,000円)は没収されるということ。
わずか5,000円のために、いつ電気代が高くなるかわからないリスクを2年間も抱え込むのはナンセンスです。
何より問題視しなければいけないこと
そして何より問題視しなければいけないことがあります。
それは業界最大手である東京電力ホールディングスグループが、こういった不透明な料金設定のサービスを堂々と行っているようでは
いつの間にか、それが当たり前のようになってしまう可能性があるということです。
他社がそろって真似をしだすと、利用者にとって不透明かつ不都合な仕組みがスタンダードになってしまうかもしれません。
そうなると最後にバカを見るのは私たち一般消費者です。
事業者側の都合でいいように搾取されるような、不透明な仕組みやサービスには断固NO!を言いましょう。
最後にひとこと
余談ですが、基本料金なし&一本単価の料金プランが駄目だと言っているわけではありません。
本当は複雑なのに、ゼロからでんきのようにシンプルに見せかけていることを問題視しなければいけないということです。
電気料金はシンプルな方が良いのは間違いありません。
基本料金ゼロ円、一本単価の料金プランなら「あしたでんき・ピタでん・Looopでんき」あたりが販売量ランキングも上位になります。
実際の電気代はどれも大きくは変わらないので、当サイトではそちらをおすすめしたいですね。
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