電力市場高騰の影響により、小売電気事業からの撤退や事業譲渡、料金プランの値上げに踏み切る新電力会社が2022年3月以降続出しています。
現在の新電力業界は大荒れのため、もう少し状況が落ち着くであろう2023年の春夏頃をめどに改めて当ページを編纂しなおします。
それまで当ページの内容は2022年3月以前の過去情報として参考にしていただきますようお願いいたします。
南部修一 |
※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
関西電力エリア(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の近畿2府4県と、福井、三重、岐阜の一部地域)にお住まいの方が自宅で電気自動車(EV/PHEV)を充電する際に、お得な料金プランを選べる小売電気事業者(=新電力)を紹介します。
- まちエネ
- Looopでんき
※2022年12月より市場連動型プランに変更 - シン・エナジー
- HTBエナジー
※2022年9月検針分より価格改定(独自の調整単価を追加) - サニックスでんき
※2023年3月より市場連動型プランに変更 - 日産大阪
- 出光興産(idemitsuでんき)
- ミツウロコでんき
8社の中でどれが最も安くてお得になるか?は、諸条件によって異なります。
そこで条件を大きく3つに分けて、おすすめ料金プランをご紹介します。
エコキュートや電気温水器のある電化住宅の場合
自由化前の旧オール電化プランを契約している場合
2016年の電力自由化前から関西電力の「はぴeタイム(はぴeプラン)」や「季時別電灯」を契約している方は、そのまま継続利用で問題ないでしょう。
旧オール電化プランから他社プランへの乗り換え検討は、現時点ではほぼ必要ありません。
2016年4月以降の「はぴeタイムR」の場合
オール電化プランを利用されているご家庭は、なるべく昼間時間は節電を意識するように心がけましょう。
もしくは太陽光発電システム等を導入するとなお良いでしょう。
6kVA未満の従量電灯の場合
EV・PHEVオーナー向けプラン
三菱商事とローソンの新電力で知られる『まちエネ』には、自宅でEVやPHEVの充電をしている方向けに「毎晩充電し放題!プラン」と「毎晩充電し放題!CO2フリープラン」が用意されています。
(※)「毎晩充電し放題!CO2フリープラン」はEV・PHEV新規購入者向けの環境省EV補助金対象プランです
以前は三菱自動車オーナー限定のプランでしたが、今ではどのメーカー車でも利用できるようになっています。
区分 | まちエネ (毎晩充電し放題!プラン) |
関西電力 (従量電灯A) |
|
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最低料金/月 | 15kWhまで 341.01円 (関電と同額) |
15kWhまで 341.01円 |
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1kWhあたり単価 | 16~120kWhまで | 20.31円 (関電と同額) |
20.31円 |
121~300kWhまで | 25.71円 (関電と同額) |
25.71円 | |
300kWh超 | 28.7円 (関電と同額) |
28.7円 | |
備考 | 深夜1時~5時までは電気使用量にかかわらず定額料金 | 口座振替割引(▲55円/月)あり |
「毎晩充電し放題!プラン」には車種ごとにキャンペーンコードが用意されていることもあります。(例えば日産車のキャンペーンコードは「nissan」)
専用キャンペーンコードはまちエネのカスタマーセンター(0120-50-1155)でも教えてくれます。
毎晩充電し放題!プランの料金単価は関西電力の規制料金メニュー(従量電灯A/B)と同額ですが、午前1時~5時の時間帯に限りEV充電相当分が無料とみなされるところが特長です。
ただし午前1時~5時の電気代が完全に無料になるわけではなく、その時間帯だけ定額料金になるという扱いです。
深夜のタイマー充電ができなかったり、昼間時間に充電を行うこともある人には向いていません。
タイマー充電ができ、毎月の電気使用量が300kWh(ひと月の電気代に換算して約7,000円)以下に収まるような家庭にはダントツでおすすめの料金プランと言えるでしょう。
(※注)月間120kWh超の単価は安くはないため、普段から電気を多く使用している家庭は他の格安新電力プランの方がお得になるケースもあります24時間いつでも安価なプラン
電気の最大需要容量が6kVA未満で、夜間時間に限らず24時間いつでも電気料金が安くなる新電力をお探しの方には、以下の新電力プランへの切り替えをおすすめします。
- Looopでんき(おうちでんき+EV割)
※2022年12月より市場連動型プランに変更されています - サニックスでんき(サニックステラセーバーS)
※2023年3月より市場連動型プランに変更されています
区分 | Looopでんき (おうちでんき+EV割) |
サニックスでんき (サニックステラセーバーS) |
|
---|---|---|---|
基本料金/月 | 0円 | 0円 | |
1kWhあたり単価 | 120kWhまで |
21.4円
+ソーラー割の追加で20.4円または19.4円
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21円 |
121~300kWhまで | |||
300kWh超 |
月間の電力使用量が400kWh(電気代に換算して約1万円)以上の家庭なら、関西電力の従量電灯Aやなっトクでんき、eおとくプランなどと比べて実際の電気代は11%~18%以上安くなります。
夜間の電気が安くなるプラン
「夜間の安い単価で電気自動車を充電したい」というニーズも当然あるでしょう。
ですが、夜間単価の安いオール電化プランはエコキュートや電気温水器のある電化住宅でないと契約できません。
電化住宅ではない場合には、関西電力のeスマート10を勧められることもあるようですが、eスマート10は午前8時~午後10時の電気料金単価がかなり高くなります。(単価比較表は後ほどご紹介します)
ですので時間帯ごとに電気料金が安くなるプランをお探しの方には『シンエナジー』の【夜】生活フィットプランまたは【昼】生活フィットプランのご利用をおすすめします。
電気料金単価の比較表
区分 | シン・エナジー 【昼】生活フィットプラン |
シン・エナジー 【夜】生活フィットプラン |
関西電力 eスマート10 |
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基本料金/ひと月 | 最初の6kWまで | 1契約 304.41円 (74.8%安) |
1契約 1,210円 |
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6kWを超える1kWにつき | 5kW(6kVA)超の契約は不可 | 396円 | |||
1kWhあたりの電力量単価 | デイタイム | 18.38円 (52.4%安) 平日9時~18時 |
27.38円 (29.1%安) 平日9時~18時 |
38.62円 夏季平日の13時~16時 |
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リビングタイム | 夏季 | 21.85円 (20.4%~27.6%安) 平日8時~9時と18時~22時、土日祝日の8時~22時 |
21.85円 (20.4%~27.6%安) 平日8時~9時と18時~22時、土日祝日の8時~22時 |
30.2円 夏季(7.8.9月)平日の8時~13時および16時~22時 |
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その他季 | 27.45円 毎日8時~22時 |
||||
ナイトタイム | 20.03円 (30.4%高) 22時~翌8時 |
18.03円 (17.3%高) 22時~翌8時 |
15.36円 22時~翌8時 |
① eスマート10と比べて基本料金が圧倒的に安い(昼間時間の単価も20%以上安い)
② 【夜】生活フィットプランの場合、平日の9時~18時の単価だけはeスマート10とほぼ同額の高単価になるものの、仕事などで平日昼間は不在になることが多ければ特に問題ありません(土日祝日の昼間時間はライフタイムの安い単価が適用されます)
③ 平日昼間の在宅が多い方は【昼】生活フィットプランの方を選ぶと、平日の昼間にお得な単価で充電できるようになります。
日産大阪のEV専用プランは最安ではない?
日産大阪で電気自動車を購入すると、関西電力の従量電灯Aよりも割安な限定プラン(日産大阪e-でんき「EVプラン・EVプランプラス」)に申し込めるようになります。
しかし先に案内した新電力プランと比べると、新型リーフ購入者限定の「EVプランプラス」は決して最安というわけではありません。
各プランの料金単価比較表
区分 | 日産大阪 (EVプラン) |
日産大阪 (EVプランプラス) |
Looopでんき (+EV割) |
シン・エナジー (昼生活フィットプラン) |
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---|---|---|---|---|---|
最低料金 (15kWhまで) |
0円 | 0円 | 0円 | 1契約につき 304.41円 |
|
1kWhあたり単価 | 7時~23時 | 22.41円 | 22.41円 | 21.4円 +ソーラー割の追加で20.4円または19.4円 |
18.38円
(平日9時~18時) 21.85円
(平日8時~9時と18時~22時、土日祝日8時~22時) |
23時~翌7時 | 22.41円 | 19.35円 | 21.4円 +ソーラー割の追加で20.4円または19.4円 | 20.03円 (22時~翌8時) |
6kVA(または5KW)を超える従量電灯の場合
同時に使用する電気の最大需要容量が6kVA(または5KW)を超える場合、関西電力エリアでは一般的に「従量電灯B」という電気料金プランを利用していると思います。
この従量電灯Bというプランは基本料金がかなり割高で、電力量単価も特に安いわけではありません。
そこで当サイトでは基本料金が無料になるLooopでんきの『ビジネスプラン+EV割』のご利用をお勧めします。
電気代は電力使用量の多少にかかわらず、関西電力と比べて15%~最大50%前後も安くなります。
区分 | Looopでんき (ビジネスプラン+EV割) |
関西電力 (従量電灯B) |
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---|---|---|---|
基本料金/月 | 0円 | 1KVAにつき 396円 |
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1kWhあたり単価 | 120kWhまで |
22.4円
+ソーラー割の追加で21.4円または20.4円
|
17.91円 |
121~300kWhまで | 21.12円 | ||
300kWh超 | 23.63円 |
電気料金シミュレーターを利用すると月間電力使用量(kWh数)を入力するだけでカンタンに実際の電気代を比較できます。
実際の支払額がいくらになるか?確認したい方は以下のページを参考にしてください。
EV・PHEVオーナー向けプラン
三菱商事とローソンの新電力で知られる『まちエネ』には、自宅でEVやPHEVの充電をしている方向けに「毎晩充電し放題!プラン」と「毎晩充電し放題!CO2フリープラン」が用意されています。
(※)「毎晩充電し放題!CO2フリープラン」はEV・PHEV新規購入者向けの環境省EV補助金対象プランです
毎月の電気使用量が比較的少なく(月間およそ300~400kWh以下)、電気自動車のタイマー充電ができるご家庭には、まちエネのご利用をお勧めします。
毎晩充電し放題!プランの詳細につきましては当ページ上部でも解説しています。
- 6kVA未満の従量電灯の場合
≫
まちエネ『毎晩充電し放題!プラン』
※2022年3月17日以降の新規受付を停止しています(再開日未定)≫ Looopでんき『おうちでんき+EV割』
※2022年12月より市場連動型プランに変更されています≫ シン・エナジー『生活フィットプラン』 - 6kVA(または5KW)を超える従量電灯の場合
≫ Looopでんき『ビジネスプラン+EV割』
※2022年12月より市場連動型プランに変更されています≫まちエネ『毎晩充電し放題!プラン』
※2022年3月17日以降の新規受付を停止しています(再開日未定) - オール電化住宅の場合(はぴeタイムRからの切り替え)
≫ HTBエナジー『オール電化プラン関西』
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